ロールモデルになるという目標設定
管理職になりたくない、という人が増えているそうです。
皆さんの会社(組織)では、どうでしょうか?
確かに割に合わないと感じる部分はあるでしょうが、
その役職・役席で得られることも多いはずなのですが・・・
温故知新で、歴史上うまく機能していた組織がないかを調べていたところ、
興味深い事例がありましたので、紹介します。
郷中(ごうちゅう)教育をご存知でしょうか。
郷中教育とは、江戸時代の薩摩藩で行われていた、
学校ではなく地域共同体そのものを使った人間教育の仕組みです。
教師や教室、成績表のような制度はなく、
日常生活の中で年長者が年少者を導き、
やがてその年少者が次の世代を導くという循環で人を育てていました。
子どもたちは同じ地域(郷中)ごとに集まり、年齢によって兄分と弟分に分かれます。
年長者は命令する存在ではなく、
自分の行動で模範を示し、理由を説明し、結果の責任を引き受ける役割でした。
つまり年長者は、「どう振る舞うか」を行動で示す存在であり、
年少者にとってのロールモデル(あるべき姿)そのものだったわけです。
地域に根付いた共同体の中で、
自然とロールモデルを輩出し続けられる優れた仕組みでした。
この教育体制が、
薩摩藩の組織力や傑物を輩出してきた一因であるという指摘もあるそうです。
書籍『薩摩の郷中教育に学ぶ 最強の後継者育成』(著:塩野時雄)では、
その特徴を下記のように説明されています(以下、同書より引用抜粋)
郷中教育には各地に点在した「寺子屋」のように決まった教室があったわけではなく、
専属の師がいたわけでもありません。
教室に当たる学び舎は郷中の各家が交代で部屋を当てがい、
年長者が交代で授業を受け持ちました。
誰しもが教わる立場から教える立場へと変わっていきます。
子供たちは自分が教わった経験をもとに、
教える立場になったらどう教えようかと工夫しながら自らも成長していくのです。
以前からのブログでもご紹介の通り、
成長への起爆剤は「教える立場になること」です。
しかし、それがある日急に訪れても恐らく上手くいきません。
日頃の教わる立場から、近い将来自分が教える立場になることを
明確にイメージできているかどうか?が重要です。
郷中教育が優れていたのは、
「いずれ自分も教える側になる」という意識が、
日常の中に自然と組み込まれていた点にあります。
そしてそれが、
継続的なロールモデルの排出にも一役買っているということです。
現代の組織では、このような循環が失われているのかもしれません。
上の世代の姿が見えにくく、将来の自分を重ねられる相手もいない。
だからこそ「管理職になりたくない」という感覚が生まれるのも、
ある意味で自然なことでしょう。
しかし現代の組織において、郷中教育のような仕組みがない以上、
放っておいてロールモデルが生まれることは期待できません。
そこで必要になるのが、意識的にその空白を埋めることです。
その最小単位は個人、つまり、
「自分が、誰かにとってのロールモデルになる」という姿勢です。
立派な肩書きや権限がなくても、
日々の仕事の取り組み方、後輩への関わり方、責任の引き受け方は、
確実に周囲から見られています。
まずは、職責に関わらず、
「自分が組織の中でどんな振る舞いを見せるか」を意識することが、
ロールモデルを生み出す第一歩になります。
あるべき姿(目指すべき姿)は、自分の理想の働き方です。
そこから逆算して、スキルアップや組織内の関係性を強化してみましょう。
やるべきことがクリアになって来ましたでしょうか?
郷中教育のように、
皆さんが示したロールモデルが次に繋がっていくはずです。
皆さんの一歩が、組織の新たな循環の一歩になるかも?です。
追記)
因みに、管理職だけがキャリアの選択肢ではありませんので、
下記の考え方も参考にしてみてください(タイトルか画像をクリック)





