働かないアリと組織の反応閾値
”働かないアリ”の話をご存知でしょうか?
働きモノの代名詞のようなアリですが、
その中に一定数、働かないアリがいるというのです。
なんだか親近感の湧くアリですが・・・
詳しくは書籍『働かないアリに意義がある』(著:長谷川英祐)を
参照頂ければと思いますが(この本、めちゃめちゃ面白いです)
この働かないアリは、別にサボっているわけではないそうです。
どういうことでしょうか?
アリの巣では、日々膨大な量の仕事があります。
仕事を円滑に進めるためには、適材適所と仕事の配分が必要ですが、
適宜状況判断できる程、アリは賢いわけではありません。
そこでアリたちは、反応閾値(はんのういきち)を利用します。
反応閾値とは、いわばその個体が持つ仕事へのフットワークの軽さ、です。
たとえば、巣の中に掃除が必要な状況があったとします。
反応閾値が低いアリは、
小さな刺激でもすぐに動きますので、すぐに掃除を始めます。
一方で、反応閾値が高いアリは、特に動きださず、
反応閾値の低いアリたちが先に仕事を片付けてしまうため、出番が回ってきません。
これが、働かないアリの正体です。
しかし、仕事量が一気に増えたり、
普段よく働いているアリ(反応閾値が低いアリ)が疲れてくると、
それまで処理されていた仕事が残るようになります。
ここで、働かないアリの出番です。
反応閾値が高いアリが待ってましたと仕事に取り掛かります。
つまり、反応閾値に個体差があることで、
必要な仕事に必要な個体が、自動で最適に割り当てられる仕組みなのです。
働かないアリが一定数いることで、短期的な効率を多少犠牲にしながらも、
組織としての長期的な持続性を高めているのです。
働かないアリは、決してやる気や能力がないわけではなく、
組織に必要な役割だったのです。
なるほど、です。
ここでひとつ疑問が湧きます。
反応閾値の低い(よく働く)アリだけを選抜したら、どうなるのでしょうか?
よく働くアリ、普通に働くアリ、あまり働かないアリが、一定の割合でいたとします。
ここから、よく働くアリだけを選抜して組織化すると・・・
その中でも再び、よく働くアリと、あまり働かないアリが生まれるそうです。
反応閾値には個体差がありますが、
集団の構成が変わることで、働き方にも新たな差が生まれていくのです。
ちょっと飛躍した解釈かもしれませんが、
それぞれが自分の組織・状況・立場に応じて、働き方を最適化しているようにも見えます。
面白いですよね。
われわれの組織で考えてみましょう。
因みに、働かないメンバーを
「そうか、不測の事態に備えてくれているんだな」と、肯定的に捉えるつもりはありません。
そこは別です、ちゃんと働きましょうw
僕たちにも、仕事における反応閾値があります。
そして、当然その反応閾値には個体差があります。
同じ現象が発生しても、
それに気づける人、そしてそこから行動に移せる人には差がありますよね。
ちなみに、必ずしも反応閾値が低ければ良い、というものでもありません。
気にせずスルーしたり、後回しにした方が良いケースもあるからです。
この反応閾値を組織に応じてうまく調整したいのですが・・・
恐らく最大の課題は、その反応閾値がアリの組織のように、
その状況・状態によって勝手に最適化してくれるわけではない、ということです。
だからこそのルール・マニュアル・基準、ではないでしょうか?
ルールやマニュアルは、決して組織を縛るようなものではなく、
この反応閾値を最適化するための取り組みとして捉えると良いかもしれません。
ルール・マニュアルの考え方については、
下記もご参考下さい(タイトルか画像をクリック)
ルールやマニュアルの見直しは、大変そうって?
・・・反応閾値が高いようですね。
追記)
アリの組織程に、反応閾値の最適化は難しいかもしれませんが、
組織やそのポジションで求められる役割に応じて、
仕事のあり方は変わっていくものです。
その筆頭が管理職(責任者)だと思いますが、
最近はそれを積極的に避ける傾向もあるらしく・・・
そのような組織では、是非下記もご参考下さい(タイトルか画像をクリック)





