ビジネスに必要な2つのスキル‐棚卸しと棚上げ‐
今回のキーワードは“棚”です。
棚をキーワードにしたビジネス上で重要な2つのスキルを紹介します。
それが、“棚卸し”と“棚上げ”です。
それぞれ、見ていきましょう。
▼棚卸し(仕事の優先順位付け)
棚卸しとは、倉庫等で在庫がどれくらい残っているか?を調べる作業を指しますが、
自身が抱える仕事・タスクを可視化して整理することだと思って下さい。
お薦めする方法のひとつが、「緊急×重要のマトリクス」で整理することです。
横軸に緊急度、縦軸に重要度をとります。
下図のようなイメージです。
※7つの習慣の時間管理のマトリクスから着想していますが、軸の取り方が少し異なります
ここに、自身の仕事・タスクをプロットしていきます。
週1回程度、決まったタイミングで更新することをお薦めしています。
ですので、緊急度の尺度は「今週中にやらないといけないかどうか?」です。
今週中なら「高」、来週以降でいいなら「低」です。
重要度は、どのような観点からみて重要なのか?を合わせておく必要があります。
例えば、「売上に繋がるかどうか?」で高いor低いを整理したとします。
下図のようなイメージになります。
顧客への提案や、ある程度工数をかけないといけない仕事は、第一象限(緊急であり重要)です。
経費精算などは、自分にとっては重要かもしれませんが、
売上貢献という視点では重要度が下がるので、第四象限(緊急だが重要ではない)です。
また、あまり工数を要せずに、考えなくてもできるアクションに関しては、ここに整理すると良いです。
そして、喫緊に納期が迫っているわけではないが、取組んでいきたい仕事・タスクが、
第二象限(緊急ではないが重要)です。
実際は、1週間で変化がない(進まない)ことも多いかも知れませんが、
可視化し、改めて自分自身で認識することが大切です。
第三象限(緊急でも重要でもない)については、該当するモノが無くても全く問題ありません。
あったとしても、後回しでよいでしょう。
定期的に自身の仕事・タスクを整理し、優先順位をつけること。
これが、棚卸しスキルです。
緊急×重要のマトリクスを活用してみて下さい。
因みに僕は、毎週土日のどちらからに、アナログですが紙1枚にこのマトリクスで纏めています。
週の途中で追記することもありますが、完了次第線を引いて消し込んでいく形でやっています。
▼棚上げ(マネジメント時の注意点)
「棚に上げる」とは、自分の悪い点は黙認しながら、相手の欠点を非難することです。
決して良い意味ではないのですが、マネジメントをする上では、
ある種の“棚上げ力(スキル)”が必要なケースがあります。
マネージャーの抱える悩みのひとつが、
「自分ができていないことでも、メンバーに求めなければならない」
という場面が発生することです。
例えば、組織の方針で、提案書の提出率を上げよう!と決まったとします。
プレイングマネージャーは、自分がその指標をクリアしていればいいのですが、
自身の達成率が伴わないとメンバーに中々厳しく言えません。
「自分ができていないのにな・・・」
「お前が言うな!とならないかな・・・」
という心配でしょうか。
もっともな発想だと思いますが、心配は無用です。
マネージャーは、自分ができていてもいなくても、指導はしなければなりません。
「マネージャーができていないこと」は、メンバーが実施しない原因にはなり得ますが、
「メンバーもできないままでいい」という理由にはならないからです。
論点が違うのです。
つまり、自分のことは棚に上げて、指導しなければなりません。
この棚上げスキルが必要なのです。
「自分が若い時もできていなかったしなぁ・・・」と思い出に浸り、
容認したくなることもあるかもしれませんが、関係ありません。
組織で決めた(求められた)基準に達していない場合、
そのギャップを埋めるのはマネージャーの仕事です。
その際、自分が、できている/できていない、知っている/知らない、
できていた/できていなかった、は関係ないのです。
メンバーができるようになることにフォーカスしましょう。
ただし、率先垂範(そっせんすいはん)という言葉があるように、
自分が模範を示すことが、メンバーができるようなる為には、
有効な手段であることは間違いありません。
棚上げすることは、自分に成長機会というプレシャーを与える上でも効果があります。
以上、“棚卸しスキル”と“棚上げスキル”についてご紹介しました。
使えそうな部分は、是非取り入れてみて下さい。
棚卸しした仕事・タスクを進めていくうえでのテクニックとして、下記も参考にして下さい。
追記)
「棚から牡丹餅」という言葉があります。
この牡丹餅は、棚に存在していたわけなので、誰かの所有物です。
それが意図せず自分の口に入った(落ちてきた)という出来事を、
“幸運”と解釈するのは、正直どうかしてますwww
その後、絶対トラブルになりますよ。
牡丹餅を幸運の比喩にしていることを見直すか、
知人から牡丹餅、のように、後々トラブルにならないような経緯の描写加えて・・・
・・・僕は、いったい何を言っているのでしょうか?