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足並みを揃えるために歩き出す

腹落ち(はらおち)、という言い回しがあります。

 

 

 

 

 

 

「腹に落ちる」という慣用句と同じ意味合いで、心から納得している状態を指します。

 

 

 

頭で理解しているだけでは、人や組織は動かない、ということを

 

改めて教えてくれるコトバです。

 

 

 

別の記事にて、組織に高明なビジョンや目的を日々伝えていたとしても、

 

現場に腹落ちしていなければ・・・ということをお伝えしました。

 

 

▼3人のレンガ職人の現場監督

 

 

 

改めてのその必要性考える上で、センスメイキング理論をご紹介します。

 

 

 

センスメイキングとは、アメリカの組織心理学者カール・ワイクによる理論です。

 

 

 

書籍『世界標準の経営理論』(入山章栄著)によると、

 

組織のメンバーや周囲のステイクホルダーが事象の意味について納得し、

 

それを集約させるプロセスを捉える理論、だそうです。

 

 

 

もう難しいですw w

 

 

 

簡単にいうと、「腹落ちの理論」です。

 

 

 

そう言われると、少し興味が湧くでしょうか?

 

 

 

以下、書籍『世界標準の経営理論』(入山章栄著)の内容をベースにして、

 

ポイントを簡単に纏めてみましたので、ご確認をお願いします。

 

 

 

 

 

まず前提として、この理論は相対主義的な立場をとります。

 

 

 

僕たちを取り巻くビジネス環境には、絶対的な真理や普遍性があるわけでなく、

 

主体(僕たち)は、客体(取り巻く環境)の一部であり、

 

主体(僕たち)が行動して、客体(取り巻く環境)に働きかければ、

 

その環境認識も変化していく、というように考えます。

 

 

 

ここが大事なポイントなので、一旦頭の片隅に置いておき、読み進めてください。

 

 

 

まず最初に、主体は客体との関係性からその変化を感知(scanning)します。

 

 

 

 

 

それは市場機会や顧客需要などポジティブなモノから、

 

ライバル企業の攻勢や原材料の値上などネガティブなモノもあります。

 

 

 

僕たちが感じる”何か”は、その関係性から来る情報だと考えます。

 

 

 

次にそれら感知された情報は、何かしらの解釈(interprretation)がなされます。

 

 

 

 

 

同じ環境からの感知でも、それをどう解釈するか?は、人によって異なります。

 

 

 

もう少し言えば、たとえ同じ組織だとしても、

 

その構成員によっても異なる、と考えればどうでしょうか・・・?

 

 

 

なるほど、社員間の問題意識や理解度、危機感に差が出るわけですね。

 

 

 

つまり、この多様的な解釈の”足並みを揃える”ことが、決定的に重要なのです。

 

 

 

故にリーダーには、「腹落ちさせ力」が求められるのです。

 

 

 

センスメイキング理論は、

 

「組織の存在意義は、解釈の多様性を減らし足並みを揃えることにある」と考えます。

 

 

 

足並みが揃っていない集団は、本当の意味で組織化されていないのです。

 

 

 

なかなかドキっとさせられる指摘です。。。

 

 

 

最後に解釈の足並みを揃えて(揃っていなくても)、行動(enactment)に出ます。

 

 

 

 

 

最後にと言いつつ、、、

 

実はこの「行動」を循環プロセスの出発点として捉える必要があるそうです。

 

 

 

どういうことでしょうか?

 

 

 

前提で触れた通り、主体(僕たち)は客体(取り巻く環境)の一部なので、

 

何となくでもまず行動を起こし、環境に働きかけることで、

 

はじめて新しい情報を感知することができる、ということです。

 

 

 

このように環境に行動をもって働きかけることを、

 

イナクメント(enactment)と言うそうです。

 

 

 

その重要性を説明する例がわかりやすかったので、併せてご紹介します。

 

 

 

以下、書籍『世界標準の経営理論』(入山章栄著)より引用抜粋


 

例えば、ある森を初めて探索する人が、

 

いくら入り口の前で森の中の状況を推測しても、自分が何に遭遇するかはわからない。

 

探検者は、実際に森に飛び込むことで初めて、

 

道に迷うなり、熊に遭遇するなり、泉を見つけるなり、何かの事態に出会う。

 

そして道に迷ったり、熊に遭遇した時、

 

探検者はその予想外な事態の瞬間に、冷静な現状分析をする余裕はない。

 

むしろ、必死の行動から逃げ切って森を抜け出た後になって、

 

「ああ、あれはこういう事態だったのだな」と納得(センスメイキング)するのである。

 

ポイントは、道に迷ったにせよ、熊に襲われたにせよ、その事態はその人が探索を始め、

 

特定の方向に進んだ(森という環境に働きかけて、センスメイキングした)から実現したことだ。

 

イナクメントしなければ環境は変わらないし、センスメイキングもできない。

 

まずは行動をすることで、人はさらにセンスメイキングを続けられるのだ。

 

 

まずは、行動なのである。

 

行動をして試行錯誤を重ね、もがいていく間に、やがて納得できるストーリーが出てくる。

 

そしてそのストーリーに腹落ちしながら、さらに前進するのだ。

 


 

 

 

 

 

なんとなくでもセンスメイキングの全体感がご理解頂けたでしょうか?

 

 

 

より詳しくは関連書籍を参照して頂ければと思いますが、

 

この「行動の重要性」は、非常に考えさせらる点があります。

 

 

 

僕たちは、組織で思うような成果が出せていない理由のひとつに、

 

足並みが揃えられていない(センスメイキングできていない)からだ、と考えます。

 

 

 

腹落ちしていないからだ、と。

 

 

 

だから、行動に至らないのだ、と。。。

 

 

 

その通りではあるのですが、本質は逆説的に、

 

行動をしていないから足並みが揃わない(センスメイキングのプロセスが回らない)

 

と考えるべきなのです。

 

 

 

人は納得するから行動するのではなく、行動するから納得できるのです。

 

 

 

センスメイキングの重要性にご納得頂けましたか?

 

 

 

納得していてもしていなくても、まずは行動に移してみましょう!

 

 

 

足並みを揃えるには、歩き出すことです。

 

 

 

 

 

追記)

 

 

行動を先行させる、という指摘は実はマネジメントの領域にも当てはまります。

 

 

特に新しいマネジャーが思ったような成果を出せていない。。。

 

という場合などは、非常にご参考頂けるのではないかと思います!

 

 

といいつつ、

 

管理職に関わらず全てのビジネスパーソンに当てはまるのですが・・・

 

 

下記からご確認ください(タイトルか画像をクリック)

 

 

▼考えられないのは行動していないから

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