賛成せずともコミットする
Yes,but法をご存知でしょうか?
相手の意見をいったん「そうですね(yes)」と肯定してから、
「しかし(but)」と自分の意見(反論)を伝える、会話のテクニックです。
非常に一般化しているので、テクニックというよりも
ごく普通に日常のビジネスシーンでも使用されている方が大半かと思います。
賛同できる事案ばかりではない中で、なるべくカドは立たせたくないからですね。
因みにカドを立たせたいのであれば、
ジョジョの奇妙な冒険の岸辺露伴を見習って、こう言いましょう。
漫画『ジョジョの奇妙な冒険』ハイウェイ・スターその③より
「だが断る」
ここで少し、組織としての意思決定を考えてみます。
発生している課題に対する施策(打ち手)をスピーディーに選択し、
そしてそれを須く実行することが重要です。
とはいいつつも・・・
「言われたいことはわかります、でも・・・」
「確かにそうなんですよね、けれど・・・」
「皆んなの意見はわかった、だが・・・」
というような形で、Yes ,but法が頻発している、なんてことがありませんでしょうか?
決まらない、決められない。
結果的に、実行しない、実行されない、なんて悪循環に・・・。
そこで成果を出す組織が持っている(大事にしている)、
ひとつの考え方(コンセプト)があるようなので、ご紹介します。
それは、
”Disagree, but Commit(賛成せずともコミットする)”です。
コミット(コミットメント)とは、ビジネスシーンでは、
約束する、責任を持つ、積極的に関与する、という意味合いで用いられます。
つまり、
「その決定には正直反対だけど、決まったからにはちゃんとやります」
ということです。
元々は、インテル創業者のアンディ・グローブ氏の言葉らしいのですが、
GoogleやAmazonなどでも使用されているコンセプトだそうです。
組織の意思決定において、
全員が100%納得するということは、現実問題としてなかなか難しいです。。。
それでも組織で決めたことは、
100%の力でやり抜く必要があることを教えてくれる言葉ではないでしょうか。
ただし、留意するべきは、
組織として議論を不要にすることを推奨しているわけではない、ということです。
自由な意見交換、建設的な議論が実施されたプロセスを経て、
最終的に決定した事項に関しては、たとえ異論があったとしても責任を持とう、
ということです。
リーダーが決めたことには、ごちゃごちゃ言わずに従え!
ということでもありませんので、その点もご注意ください。
因みにAmazonでは、以下のようにこのコンセプトを使用しているようです。
以下、書籍『Invent&Wander』(寄稿;ジェフ・ベゾス)より引用・抜粋、加筆修正
意思決定のコツは、「反対してもコミットする」を合言葉にすることです。
みんなが賛同してくれなくても、自分の提案に自信があれば、こう言えばいいのです。
「みんな、反対意見があるのはわかるけど、ここは僕に賭けてくれませんか?
反対でもコミットしてもらえませんか?」。
話がここまで来ている時は、おそらく正解は誰にもわからなくなっているはずなので、
みんなもすぐ賛成してくれるでしょう。
これは下から上の場合だけではありません。
上司もこの言葉を実行するべきです。
私もしょっちゅう「反対してもコミット」しています。
ちなみに誤解しないでいただきたいのは、私の頭の中で
「あいつらは間違っていてよくわかっていないが、あまり追い詰めても無駄だ」
と思っていたわけではありません。
ただお互いの意見が違っていただけで、私は正直に自分の意見を言い、
彼らに私の意見を考える機会を与えたうえで、
彼らのやり方を心から支えるとすぐに伝えたのです。
つまり、責任者もGoサインを出したのであれば、
異論・反論あったとしても、
全面的に支援・支持する姿勢を伝えなければならないということです。
Yes, but(賛成です、でも・・・)ではなく、
Disagree, but Commit(賛成せずともコミットする)。
議論が不要なわけではありません。
納得すること・させることを、諦めるべきでもありません。
ただ、
”Disagree, but Commit”で実行できる組織は強い、
ということです。
さて・・・、
異論・反論あるかもしれませんが、腹を括ってみませんか?
追記)
ポイントは、やはりしっかりと議論がなされていることです。
議論に苦手意識がある方も多いかもしれません・・・。
議論のコツとして、A-B-Xシステムがわかりやすので、
以下もご参考ください(画像かタイトルをクリック)