意思決定の前にゼロ合わせを
ゼロ(0)の概念はインドが発明したと聞いたことがないでしょうか?

仏教やヒンドゥー教の基本思想においては、
「空」や「無」の概念が重要視されており、そのような思想的背景からも、
当時のインドの人々は「無い」ことを表す記号を持つことに抵抗感がなく、
「ゼロ」を表現するようになった・・・という説もあるのだとか。
なるほど。。。奥深そうです。
先日、あるセミナーの講師に「ゼロ合わせ」なるものを教わりました。
これは、測定機器の指示値を「0」に合わせる調整作業のことだそうです。

いくら正確な数値を図ることができる測定器でも、
ゼロ点(基準)がおかしくなると元も子もないので、
まずは測定前に必ず”ゼロ合わせ”を行うことが大切なのだ、と。
そして、この考え方(=ゼロ合わせ)は、多くの仕事にも通じます。
ビジネスにおいて、僕達は日々様々な意思決定をしています。
言わずもがな、その精度を上げることは成果に直結しますが、
ちゃんと”ゼロ合わせ”できているでしょうか?
合わせておきたいゼロ(基準)は大きく2種類です。
ひとつは、自社・自身の価値判断基準(原則・ポリシー・理念)です。
Aを選ぶか、Bを選ぶか、はたまた今ここにないCを選ぶべきかのか?
連続する意思決定・選択において、日々迷います。
その際ついつい「後から考えるとこっちじゃなかったなぁ・・」という、
後悔のある選択をしてしまうのは、僕だけではないと思います。
それは恐らく、ゼロ点(基準)がズレてしまっているのです。
冷静に自社・自身の価値判断基準に照らし合わせていれば、
「当然こっちだろう」という判断も、その時の状況・環境や、
ついつい安易な方を選択してしまう弱さと相まって・・・。
ゼロ点(基準)を合わせましょう。
経営方針や理念の確認、あるべき姿を確認することは、
仕組化・ルーティーン化しておきたいところです。
ふたつめは、相手との価値判断基準(モノサシ)です。
ビジネスにおける意思決定は、相手あってのことが殆どです。
お客様、取引先様、上司・部下・同僚、その他諸々。
お互いに争いたいわけではないのに、残念ながら揉めてしまったり。。。
そこまでバチバチに揉めなくても、
「なんかしっくり来てないぞ」という状況に陥るのは僕だけではないはずです。
原因のひとつは、お互いの価値判断基準(モノサシ)が異なるからです。
相手が、何を重要視しているのか?何に価値の重きを置くのか?
ここを知らずして合意形成を図るのは至難の業です。
自分の価値判断基準のゴリ押しは、
さながら、そのモノサシでチャンバラをするように、争いのタネです。

相手の価値判断基準(モノサシ)を知りましょう。
そして、お互いにぜロ点(基準)を合わせたうえでの議論が必要です。
意思決定の際には、
自社・自身の価値判断基準を、しっかりとゼロ点(フラット)に合わせること。
相手の価値判断基準(モノサシ)を理解した上での議論とすること。
改めて、この辺りを意識して取組んでいきたいモノです。
追記)
意思決定における”後悔”をゼロにすることを目指したいです。
詳しくは下記もご参考下さい(タイトルか画像をクリック)
