カイロスを逃さないために
古代ギリシャには、カイロスという神様がいました。
特徴は、前髪が長く、後頭部が禿げていて、翼があることもある・・・
なぜそんなトリッキーな出で立ちなのでしょうか?
カイロスは、好機・決定的瞬間・適切なタイミングを人格化した存在です。
後世には、
Opportunity has hair in front, behind she is bald.
(機会は前に髪があり、後ろは禿げている)
という格言にもつながっています。
カイロスという言葉は、「好機」と訳されます。
状況が熟し、ある行動が決定的な意味を持つ、ここぞという瞬間のことです。
言わずもがなで、ビジネスシーンにおいてもカイロスは重要です。
市場参入、製品開発、組織改変、どれも好機なしに成果には結びつきません。
営業活動も同じです。
とりわけ営業とは、相手(顧客)あってのことです。
いくらこちらがベストな提案ができたとしても、
相手のタイミング(好機)でなければ、成果は見込みづらいのです。
書籍『コンテキスト・リーダーシップ』(著:山口周)では、下記のように指摘しています。
以下、同書より引用抜粋
カイロスを捉えることは、人を動かす上で決定的に重要です。
アリストテレスは、著書『弁論術』の中で、
人を動かすためには「ロゴス=論理、パトス=情熱、エトス=倫理」の三つが重要だと指摘しましたが、
これら「コンテンツに関する条件」以前に、大前提として、説得するタイミングやコンテキスト、
つまりカイロスの見極めが重要であり、
適切なタイミングを逸した説得が身を結ぶことはない、と述べています。
個人的には、このアリストテレスの指摘は、コーチングや子育ての局面においても実感させられます。
アドバイスを心の奥底までストロークさせるためには、
相手がそれを受け入れられる絶好のタイミングまで待たなければなりません。
営業の場合も同じです。
顧客にとって良いタイミング(カイロス)を見極めなければいけません。
もちろん、機が熟すように適切な情報提供や、継続的なコンタクトを図るのですが、
場合によっては、待つという選択をしなければなりません。
だからこそ営業組織には”持久力”を仕組化する必要があるのですが、
この点については、下記をご参考ください(タイトルか画像をクリック)
ここで、非常に重要なポイントがあります。
顧客のカイロスを待つのですが、
それはこちら(営業)がやり切った状態で待つ、ということです。
商談の結果、
「いいのは分かりましたので、一旦タイミングを見て検討します」
という返答になったとします(ありますよね、こういうシーン)。
その際、
「本当にお客様は検討するための材料が揃っているのか」
を自問して頂きたいのです。
あとはタイミングだけ、と言えるような状態でしょうか?
顧客の最適な意思決定を支援することが営業の仕事です。
カイロスが訪れたとき、逃さず検討できる準備を整えておきましょう。
そのポイントは、組織や商品によって異なります。
一旦やり切ったと言えるものが、
提案書かもしれませんし、正式見積かもしれませんし、
自社の役職者の同行かもしれませんし、現場の見学かもしれません。
このポイントは、KPIなどでマネジメントすることも有効です。
営業におけるカイロスを逃さないように。
そして、顧客がカイロスを逃すこともないように。
タイミングが大事なのであれば、
タイミング以外に詰められる部分は詰めてから、待ちたいのです。
では、このアクションにおけるカイロスはいつか?
それは・・・わかりますよね?
追記)
一旦やり切って待つ、というのは適切な”後始末”とも言えます。
下記も併せてご参考ください(タイトルか画像をクリック)





