ガラクタの整理と認知負荷理論
いわゆる不用品や価値がないモノを総称する「ガラクタ」という言葉。

語源は諸説あるそうですが、寺の掃除で出たごみ(=伽藍の芥・がらんのくた)から、
役に立たないモノという意味で定着したそうです。
ということは、
掃除をせずとも身の回りのガラクタを認識できている状態は、
残念ながら極めて不自然(不健全)なのかもしれません・・・、という反省もしつつ。
仕事においても、このガラクタを片付けることは有効です。
物理的なガラクタも、思考を妨げる情報としてのガラクタも。
書籍『新 ガラクタを捨てれば自分が見える』(著カレン・キングストン)には、
下記のような記載があります(一部加筆修正)。
あなたの家はあなたの内面をそのまま現したものですから、
部屋がゴチャゴチャしているのは、あなたの精神もゴチャゴチャしているということ。
外側をキレイに整理していくことで、あなたの内面もキチンと整理されていくのです。
「ガラクタ」をたくさん溜め込むと、あなたは全てのことを次の日に延期するようになっていきます。
「ガラクタ」の鬱積したエネルギーが、あなたを怠け者にするのです。
いやー、耳が痛いので無視したい指摘ですが、その通りだと思われます。
僕達の思考には”認知的負荷”がかかっている為です。
認知負荷理論というモノがあります。
1988年にオーストラリアの教育心理学者であるジョン・スウェラー氏によって提唱された理論です。
簡単にいうと、
人間の認知能力には限界があるので、情報処理時の負荷(特にワーキングメモリの容量)を考慮し、
効率的な学習や作業環境のデザインをしましょうね、という感じです。
認知負荷には、
内在的負荷・・・学習内容そのものが持つ固有の難易度や複雑性に起因する負荷
外在的負荷・・・不必要な刺激(情報や視覚要素など)に起因する、学習や遂行に不要な負荷
発展的負荷・・・学習内容を深く理解し、知識構造の構築に寄与する意図的で有益な認知的努力
の3種類があるとされています。
物理的なガラクタの整理は、正にこの「外在的負荷」を軽減・解消することです。
当たり前ですが、不必要な刺激や情報が無い方が、集中できます。
その意思決定や判断、思考にも好影響です。
認知負荷理論では、
全ての負荷を「避けるべきもの」として捉えているわけではありません。
スキル習得・知識構築・課題解決に必要不可欠な良質な負荷と、
無駄な混乱や注意散漫を引き起こす障害としての悪質な負荷に、分けています。
ガラクタは、この場合の「悪質な負荷」なのです。
成長に必要な適切な負荷に集中する為にも、まずは悪質な負荷の軽減を。
外側(環境)の整理が、内側(思考)の整理に繋がるということらしいので、
まずは身の回りの整理整頓(ガラクタ排除)から初めてみませんか?
ビジネススキルには、棚卸しと棚上げの2つの棚が重要だとお伝えしてきましたが、
ここに棚整理を付け加えると良さそうです・・・(詳しくは下記のタイトルか画像をクリック)

・・・という提案を、
散らかった机と煩雑なデスクトップのPCからさせて頂く今日この頃です。
追記)
散らかった机の方が集中できる、という方もいますが・・・
多分、言い訳ですねw
正確には、「散らかっている机でも集中できる」ですかね。
ガラクタの定義は人によって異なると思うので。
ただ、いくら定義が違っているからといって、
戸愚呂弟のこのガラクタ発言は許せないですね・・・

漫画『幽遊白書』act.90 恐怖の80%!! より引用
飛影のつぎに幻海師範が好きでした。。。