2個目のマシュマロとゲームをやる理由-認知的再評価-
マシュマロ実験(マシュマロ・テスト)をご存じでしょうか。
スタンフォード大学の心理学者ウォルター・ミシェル氏が、
1960年代後半から1970年代前半にかけて実施した、
子ども時代の自制心と、将来の社会的成果の関連性を調査した有名な実験です。
下記、簡単に要約します(Wikipedia参照の上加筆修正)
被験者となるのは幼児で、実験者と一緒にある部屋に入ります。
そこで、マシュマロが1個だけのったお皿を「君にあげる」と幼児に渡します。
「ただし、15分間食べるのを我慢できたら、もうひとつあげるよ」と言って、
実験者は部屋を出ていきます(幼児ひとりだけになる)。
その状況で、幼児はどのような行動をとるか?
大抵の幼児はすぐに食べてしまうのですが、最後まで我慢することができ、
意志力を示した子供は、その後社会的に成功する確率が高かったという調査です。
この実験から、幼児期においてはIQ以上に自制心の強さが重要だ!と注目されました。
幼稚園時の自分自身よ、お前はマシュマロを我慢できるか・・・?
しかしこの実験、後に(2008年)被験者の数を増やして実験の検証がなされ、
「マシュマロ実験の結果は限定的」とする実験結果が発表されます。
2個目のマシュマロを手に入れたかどうか(我慢できたかどうか)は、
被験者の経済的背景と相関が高く、その後の社会的成功は、
被験者が経済的に恵まれていたかどうかの方が重要であったと推測された。
“2個目のマシュマロ”と長期的な成功は、原因と結果の関係ではなく、
経済的背景という一つの原因から導かれた2つの結果であったこと、が示された。
そう結論づけられてしまうと学びが少ないので、
その後の社会的成功との因果関係は一旦、置いておきます・・・。
僕達は、マシュマロ1個くらいは我慢できますが、
日々自制心と意志力の発揮を求められるシーンに多々遭遇しています。
この実験から気になるのは、“なぜ一部の幼児は、我慢できたのか”です。
それは“認知的再評価”を実施していたからだ、と言われています。
つまり、自分自身のおかれた状況に対して別の角度から見たり、
それをゲームや、遊び・ミッションに見立てていたのです。
カギは、我慢を遊びに変換・妄想できる想像力だったのです。
実験者のウォルター・ミシェル氏は下記の様に説明しています。
「子供達は、マシュマロを大好きなおやつとしてではなく、
“空中に漂うフワフワの雲”として認識したのです。
その場合、彼らはマシュマロを目の前に置かれながらも、
私と大学院生たちがネをあげるまで、じっと座っていました。」
自分自身に対して、
モノの見方や捉え方を変えたストーリーを付与することが効果的だったのです。
人は、そのストーリーに沿って、そう在ろう(成ろう)とします。
そしてのそのストーリーや想像(妄想)が、
ゲームの様にワクワクする楽しいモノであれば、より効果的です。
では、その想像力や楽しいゲームへ置き換えるスキルはどうやって培うのか?
まずは楽しいゲームに取組むことが近道です。
認知的再評価が実施できた幼児達は、
日頃からそのような遊びに触れる機会や情報、
想像力を発揮できる場面が多かったのかも知れません。
経験しているからこそ、
「〇〇みたいだ」「〇〇だと思ってみよう」とイメージできるのです。
※この場合のゲームはゲーム的要素を含む遊び、スポーツ、娯楽全般です
ということを、ゲームをする理由にできないものでしょうか・・・
ちゃんと仕事に活かしますので。。。
追記)
自身をゲームのプレイヤーに見立て、ミッションに挑むイメージでしょうか。
この“演じる“というアプローチは非常に効果的ですので、下記もご参考下さい。
所謂、ゲーミフィケーションと言われるコンセプトです。
ゲーミフィケーションを営業や仕事に活用するポイントについては、
また改めてご紹介できればと思います。