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スニーカー戦略と次の一手

スニーカー(sneaker)の語源を知って少し驚きました。

 

 

 

 

 

 

”忍び寄る者”という意味だそうです。

 

 

 

「sneak(こっそり歩く、忍び寄る)」 という動詞がもとになっているそうで。

 

 

 

1800年代後半、歩くとコツコツと音が鳴る一般的な革底の靴に対して、

 

ゴム底の靴は足音がしにくく、こっそり歩けるように感じられたことから、

 

「sneak-er(忍び寄る人/忍び寄れる靴)」という表現が生まれ、

 

次第にゴム底の運動靴全般を指すようになったそうです。

 

 

 

ヘェ〜、ですね。

 

 

 

そしてこの「スニーカー」は、動物行動学において、

 

ある戦略的な繁殖行動を説明する概念としても用いられます。

 

 

 

非常に興味深いアプローチなので、紹介します。

 

 

 

以下、書籍『君たちはなぜ、そんなことをしているのか?』(著;松原 始)より加筆修正


 

サケなどで顕著だが、スニーカーという戦略が知られている。

 

スニーカーとは「忍び寄る者」という意味だ。

 

サケが産卵する時は、イカツいオスが1匹、時に数匹、メスに寄り添っており、

 

メスが川底を尾びれで掘り下げた窪みに産卵すると同時に、オスが放精する。

 

この時、オスが我も我もと寄ってこないのは、横についたオスが他のオスを追い払うからだ。

 

追い払われないためには大きく、強くなる必要がある。

 

では、そこまで大きくも強くもないオスは、成すすべもないのか?

 

生物は、そんなことで諦めたりしない。

 

ここで登場するのが、スニーカー個体である。

 

小型のオスは小さいが故にライバル視されてにくく、

 

なんならメスと間違ってもらえるので、産卵に近づいても追い払われないのだ。

 

最後の瞬間にスルリと寄っていって一緒に放精してしまえば、受精の機会がある。

 


 

 

 

 

 

 

・・・なるほど、それでスニーカー。

 

 

 

卑怯と言う勿れ、立派な戦略です。

 

 

 

ただし、興味深いのはここからです!

 

 

 


 

さらにスニーカーにはいい点がある。

 

体が小さくてもいいということは、体サイズを大きくするような投資がいらない、ということだ

 

その分、精巣を大きくしてやればいい。

 

あるいは繁殖開始年齢を低くして、若いうちから繁殖に参加することにしてもいい。

 

この戦略はすでに、遺伝的な二型として定着している場合がある。

 

単に「大きくなれなかったからスニーカーになるか・・・」という消極的な方法ではなく、

 

「オレは生まれついてのスニーカーだぜ」と言う遺伝的な生き方になっている、ということだ。

 

スニーカー型のオスは、一般的に体サイズに対して精巣の発達がよく、繁殖開始年齢が低い。

 

つまり有効な戦略の一つなのである。

 


 

 

 

・・・素晴らしい!

 

 

 

カッコいいぜ、スニーカー!

 

 

 

つまり、スニーカー戦略とは、最初は大型のオスの目を盗んだ、

 

背に腹は変えられないアプローチだったのかもしれません。

 

 

 

ただ、その個体の遺伝子は受け継がれ、同じように大きくない個体になるのです。

 

 

 

だったら、それを逆手に、別の部分を進化させてやろう、という戦略なのです。

 

 

 

これは、ビジネスにおいても大いに参考になります。

 

 

 

戦略とは捨てることだ、と言われます。

 

 

 

それは、捨てることによって、有限の資源を集中できるからです。

 

 

 

サケのスニーカー個体の場合、大きくなることを捨て、進化を集中させました。

 

 

 

つまり、競争を避けて戦える方法を選択することは、あくまでも初手なのです。

 

 

 

大事なのは、次の一手。

 

 

 

その分、何に集中するのか?

 

 

 

どこを伸ばすのか?

 

 

 

その為にどのような投資(努力)をするのか?

 

 

 

ここが重要です。

 

 

 

自社のスニーカー戦略と次の一手、練ってみませんか?

 

 

 

差別化戦略については、下記もご参考ください(タイトルか画像をクリック)

 

▼顧客に選ばれるための差別化戦略

 

 

 

追記)

 

 

個人的にスニーカーといえば、学生時代からの名残で

 

アディダスのスタンスミスか、プーマのスウェードなんですよね・・・

 

 

 

 

こういうところは、全然挑戦心がなく・・・。

 

 

メーカーの戦略にやられている気もします。

 

 

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