その微差はきっと大差である
あるラグビーコーチの言葉だそうです。
勝った時は、周りが言うほど素晴らしくはない。
負けた時も、周りが言うほど悪くない。
恐らくレベルは全然違うと思いますが、僕自身も非常に共感できる言葉です。
物事がうまくいった時も、じゃあそれ程努力していたか・・?と。
逆にうまくいかなかった時も、それほどサボってないぞ・・・と。
偶然が作用する部分を差し引いたとしても、
本人が自覚していない(できていない)、
何かしら微差が大差を生んでいるのだろうと思います。
以前、ラグビー日本代表のヘッドコーチも務めたエディー・ジョーンズ氏は、
自著のなかで、この”差”を下記のように考察しています。
※先のラグビーコーチの言葉も同書より、です
以下、書籍『リーダーシップ』(エディー・ジョーンズ著)より、引用一部加筆修正
私がこれまでにスポーツの世界で得た最高のアドバイスは、
ラグビーリーグのベテランコーチの、
「勝ったときは、周りが言うほど素晴らしくはない。負けたときも、周りが言うほど悪くない」だ。
「良いチーム」と「ダメなチーム」のどちらに見られるかの違いをもたらすのは、
たった3%程度の差でしかない。
たとえ我々のパフォーマンスが特に優れていなかったとしても、
相手よりチーム力が3%上回っていれば、試合に勝てるだろう。
だからこそ、コーチにはチーム力を3%上げるための改善策が求められる。
だが、もし間違った判断でこれまでの方法を変えようとすれば、
逆にチーム力を3%落としてしまうかもしれない。
そうなれば、うまくいった場合と比べてチーム力は6%下がることになる。
これでは、勝負に勝つのは難しい。
成功と失敗の差は小さく、それを底上げするのは簡単ではない。
だから、変革を起こす前には慎重にならなければならない。
その変革の結果が、国際試合における紙一重の差を縮めるか広げるかの決め手になる。
・・・なるほど。
そのアクション自体は、数%の小さな”差”かもしれませんが、
それがマイナスに作用すると、
プラスにできた相手と比べて、勝負を分けるくらいの差になる、ということでしょうか。
機会損失もマイナスであると仮定すると
「何もしなかった」という状態が0ではなく、マイナスX%となります。
それ故に、微差が大差につながるのかもしれません。
そんなことを考えていると、漫画『スラムダンク』のあるシーンを思い出しました。
バスケットボールには、リバウンドというプレーがあります。
シュートが入らなかった際、そのボールを回収するプレーなのですが、
その重要性を安西監督が主人公の桜木に説きます。
相手チームがシュートを外した際・・・
こここでリバウンドをとったのが、君だったらどうなる?
つまり、−2点が消え、+2点のチャンスが生まれる
君がオフェンスリバウンドとれるならそれは・・・
4点分の働きってコトか!!(桜木)
漫画『スラムダンク』#241 4POINTS より
リバウンドは、シュートに比べると渋いプレーです(桜木自身も地味だと言っていました)。
しかし、相手のチャンスを潰し、味方のチャンスを創る、重要なプレーです。
正に、微差で大差を創るプレーです。
皆さんの普段の仕事をイメージしてみてください。
あと1社、提案してみる。
あと1件、連絡してみる。
あと1歩、踏出してみる。
それ自体は微差かもしれませんが、
何もしなければゼロではなく、マイナスです(=機会損失)。
あと1アクション、この微差こそが大差なのです。
そう考えると、ちょっとやる気が出ませんか?
皆さんの日々の頑張りに、プラスαもう1アクション、やってみませんか?
きっと、その微差こそが大差である!
追記)
とは言いつつも・・・
先のエディー・ジョーンズ氏の指摘の通り、
アクションした結果マイナスを生んでしまう、というリスクもあります。
そんな時は、”プラスマイナス≠ゼロ理論”をご参考下さい(タイトルか画像をクリック)