失敗を成功で上書きするために
「失敗を活かす」ことは言わずもがなに重要です。
失敗をどう活かすか?どのようにアプローチするべきか?については、
このブログの中でも何度かご紹介してきましたので、
よろしければ過去の記事も、是非ご参考にされてみてください。
ただ、「失敗」への対処は、多くの場合気乗りしないものです。
当然ですよね。
さて、どうしたもんでしょうか?
サッカー日本代表でも活躍の久保建英選手が、
2024年に行われたアディダスのイベントで高校生からの質問に答えているのですが、
その内容が非常に示唆に富むものでしたので、紹介します。
同じくサッカーをプレイする高校生からの
「試合中にミスした時の気持ちの立て直し方は?」
という質問に対して、久保選手は下記のように答えます。
試合中にミスしてしまった時にまずやるのは、
同じプレイを敢えてトライしてみるってことをやっていて。
どうしてもミスっていうのは、自分の頭に残りがちなので、
敢えて同じプレイを次のアクションでしてみることで、
今度は成功して成功体験を自分に植え付けるっていうのはやっていますね。
それが一番大事だと思います。
ミスしたままだとどうしても他のプレイにも影響が出てしまうので、
その気持ちは凄いわかりますし。
だから僕は、例えば、
コントロールミスをしてしまったら同じようなコントロールを要求するだったり、
縦パスをミスしてしまったら、次は逃げずにもう一回縦パスを入れてみる、
というのを意識してやっています。
・・・なるほど、失敗に対して落ち込んでいる暇も作らず、
敢えて同じプレイに挑戦し成功することで、成功体験として上書きしてしまうと。
さすがですね・・・。
そのままビジネスシーンにおいても使いたい考え方ですね。
そしてこれは、
決して失敗を「無かったこと」にしているわけではないと思われます。
失敗してしまったからこそのアクションだと考えると、
これもひとつの失敗の活かし方です。
そしてこのアプローチは、脳科学的な観点からも一定の説得力があります。
MITのヒステッド、パスパシー、ミラーらの研究によると、
課題に成功した直後の方が、失敗した直後よりも次の行動成績が改善しやすいとされています。
この研究によると、成功した試行の後には、神経活動が次の試行まで持続し、
次の判断に活かされやすい状態になっていたとされています。
一方で、失敗した試行の後には、
同じような神経活動の改善や行動成績の改善があまり見られなかったそうです。
脳は失敗した後よりも、
成功した後の方が学習に適した状態になりやすい、ということが示唆されています。
そう考えると、
失敗した事実を早々に成功体験で上書きする、というアプローチは、
その場のメンタル維持だけでなく、その後のスキルアップにおいても有効な一手のようです。
「よーし、じゃあ失敗してもすぐに再挑戦するぞ!」
というマインドセットだけでは、ちょっと足りない点をご注意ください。
そもそもミス(失敗)した後に、同じような状況を再現するにはスキルが必要です。
例えばある提案で失敗した場合、
同じような提案の機会が自由に作れるわけではありません。
そのような状況・シチュエーションをそもそも作る力、そこに辿り着くだけの力、
そして、引き続きその場を任せてもらえるような信頼が必須なのです。
更にもうひとつ、
チームや組織がそれ(再挑戦)を許容できる状態であることも重要です。
当人がいくら再挑戦をしたくても、
それが認められない雰囲気や風土であれば、叶いません。
組織としては、
成功体験で上書きできるような再挑戦を推奨していきたいのです。
つまり、失敗しても再挑戦し、
それを成功体験として上書きして成長していくためには、
・ミスを引きずらずに、再挑戦するマインド
・ミスが発生した状況を再現し、改善できるスキル
・ミスに再度挑むことを許容・推奨する組織風土
が必要だと言えます。
さて、再挑戦する準備は万全でしょうか?
おっと、ミスしている(していく)ことが前提みたいな話ぶり、失礼しました。
そういうこともありますよね、というニュアンスで上書きさせて下さい。
追記)
そして、ミスに対する再挑戦がその次で成功するとも限りません。
つまり、挑戦し続けること、
組織としては、挑戦し続けさせること、が重要です。
関連して、下記もご確認ください(タイトルか画像をクリック)





