演じることは成長への有効なアプローチ
子供の頃に“ごっこ遊び”をしたヒーロー・ヒロインは何でしょうか?
仮面ライダー、戦隊ヒーロー、ウルトラマン、ドラゴンボール、
セーラームーン、プリキュア・・・
この“演じる”(=ごっこ遊び)というアプローチが、
ビジネスパーソンの成長においても非常に有効だと思われます。
「学ぶ」の語源が「真似ぶ」だと言われているように、
“できる人の真似をする”という方法が有効であることは、
多くの人に知られています。
「仕事ができる人の真似をしなさい」
と言われることに違和感はありません。
一方で「仕事ができる人を演じなさい」
と言われると、どうでしょうか。
できてもいないくせに、できるふりをする様なイメージで、
良いニュアンスではありません。
しかし、この“演じる”というアプローチが有効なのです。
『スタンフォードの権力のレッスン』という書籍の著者でもある、
デボラ・グルーンフェルド教授は、
スタンフォード大学経営大学院の授業に演劇を取り入れています。
心理学や演劇の理論を通じて、
権力が社会や組織や対人関係の中でどのように作用しているか?を学ぶ授業です。
その授業の中で、演劇の一場面を演じたり、
各自が困難を感じる状況設定の中で普段とは違う自分を演じるような
カリキュラムがあるそうです。
そのような授業を通して、権力の有効な利用方法や、
なぜそのような意思決定をしているのか?という追体験ができるというのです。
仕事ができる人の行動を真似る、ということの本質的な目的は、
その行動を生み出している思考体系を会得することです。
その行動の実践を通し、なぜそのような行動をするのか?という理由がわかれば、
今後自分自身で再現できるようになるからです。
演じるとは、この感覚に近いです。
仕事ができる人(=自分が理想とする人物・状態)であれば、
このような時はどう考えるか?
どのような行動をするか?
どのようにふるまうのか?
をイメージし、
それに沿って自分の行動を創っていく(演じる)ことが重要です。
何かを演じ、誰かのようになろうとすることはストレスでしょうか。
自分らしく、あるがままの自分でいることが理想であれば、
確かにそうかもしれません。
であれば、仮面ライダーに変身した(演じている)息子は、
なぜあれほどまでに嬉々として、実の親である僕に拳を振るうのでしょうか。。。
甚だ疑問です。
なりたい自分を演じることは、楽しいはずです。
なりたい自分があり(will)、
それが周り・環境から望まれていれば(must)、効果的です。
たとえ現時点でそれができていなくても(can)。
will-can-must のフレームワークでいえば、この部分が“演じるべき領域”です。
先の書籍『スタンフォードの権力のレッスン』には、このような一節があります。
演技とは、自分以外の誰かになることではない
演技とは、自分をマネジメントする規律あるアプローチ、つまり行動規範である
演じることは、抑制ではなく解放であり、力の付与(エンパワー)でさえある
「人は、制服通りの人間になる」
これはナポレオンの言葉です。
地位・役職を与えられた人間は、
その役割に相応しく成長(変化)する、という感じの意味です。
自分の理想の制服を着こなしましょう。
イメージ先行でOK、演じることから最適な行動が生まれてくるはずです。
追記)
僕の息子が4歳の時です。
仮面ライダーの変身ベルトを着けて、1歳年上の従兄と遊んでいたのですが、
些細なことでケンカになりました。
結構ヒートアップしてしまい、泣きながら、もう怒った!となった時、
ライダーベルトのスイッチを入れ、変身ポーズを決めていましたww
本気で倒す気やん。やめてあげて。。
その時に、
「お前の拳は友を傷つける為にあるんじゃない!」
と、メンターを演じきれなかったことを悔やんでいます。