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OODAループを営業に活かす‐意思決定の最適化へ‐

OODAループをご存じでしょうか。

 

 

米国の戦闘機操縦士であり戦術家でもあるジョン・ボイド氏が発明した、

 

意思決定と行動に関する理論です。

 

 

元々は軍事行動における指揮官の意思決定を対象としていたらしいのですが、

 

後にこれに留まらず、人生ならびに組織経営等において勝ち残る為の

 

ドクトリン(教義)になったと言われています。

 

 

OODAループは、

 

観察(Observe)- 情勢への適応(Orient)- 意思決定(Decide)- 行動(Act)

 

の ループによって、健全な意思決定を実現するというもので、

 

理論の名称はこれらの頭文字からとられています。

 

 

因みに「ウーダ」と読みます。概念図と詳細の説明は下記です。

 

 

 

 

OODAループは、予測不能な状況下において、

 

迅速な意思決定と行動を実現することを目的としています。

 

 

環境変化のデータをリアルタイムに収集し、

 

機敏に判断して行動に移すスキルを高めることが、

 

競争優位を築く為の鍵になる昨今の市場環境においては、

 

注目度が上がるのも当然の流れかと思います。

 

 

 

また、OODAループは、営業マネジメントにも有効であると言われます。

 

 

特に、SFA/CRM/MAといったtechを通し、

 

顧客情報を戦略的に活用する為の考え方として紹介されることも増えてきました。

 

 

僕は、この意見に激しく同意します。

 

OODAループは非常に使えます。

 

 

 

OODAループは、状況の「観察」を起点とします。

 

 

営業行為とは、そもそも相手(顧客)があってのことなので

 

PDCAサイクルの様に自身(自社)の計画からではなく、

 

相手及び自身も含めた状況の把握を起点としている点でも、

 

現場の実務に則した理論であると言えます。

 

 

PDCAサイクルと対比されることも多いのですが、

 

代替するようなモノではなく、併用・使い分けて頂ければOKです。

 

 

OODAループの詳細や概念については、

 

書籍や解説サイトがいくつかありますので、そちらを参考にして下さい。

 

 

 

OODAループを営業に活かすにあたり、下記3点がポイントになります。

 

 

(1)観察(Observe)の起点は営業が創る

 

(2)組織的なフィードフォワードが必要

 

(3)意思決定(Decide)の省略が理想形

 

 

それぞれ、見ていきましょう。

 

 


(1)観察(Observe)の起点は営業が創る


 

OODAループは、環境変化を把握し、それを意思決定に活かす為の取組みです。

 

 

営業活動における環境の変化は多岐に渡ります。

 

 

市場環境、顧客のニーズ、検討状況、タイミグ、競合、自社のサービス等、様々です。

 

 

そしてそれらの情報は、見たいと思えば見れるモノでしょうか。

 

 

残念ながら、待っているだけでは得られません(限りがあります)。

 

 

環境変化の把握(=情報収集)は、受身ではダメなのです。

 

 

そして、営業として欲しい情報とは、顧客の“反応”です。

 

 

反応とは、「ある刺激に応じて生じる現象」であると定義できます。

 

 

つまり、何かしらの「刺激」が必要なのです。

 

 

その刺激を与えることこそが、営業の役割です。

 

 

情報提供という刺激を与えましょう。

 

 

それより生じる反応こそが、収集すべき情報です。

 

 

観察の起点・きっかけは、営業が創るのです。

 

 

 


(2)組織的なフィードフォワードが必要


 

先の概念図に、それぞれの要素を繋ぐ矢印に

 

「フィードバック」と「フィードフォワード」があります。

 

 

対になる概念ですが、

 

「フィードフォワード」に聞き馴染みが無いかもしれませんので、解説を補足します。

 

 

フィードバックとは、過去の事象に対してなぜ?を問います。

 

原因-結果の因果関係から、改善点や修正点、強化すべき点を明らかにします。

 

 

対してフィードフォワードとは、未来・将来の事象に対してなぜ?を問います。

 

手段-目的の関係から、目指すべき成果(目的)を実現する為の最適な手段は何か?を思考します。

 

 

マネジメント上、どちらも大切なのですが、

 

OODAループにおいては特にフィードフォワードが重要です。

 

 

ジョン・ボイド氏はOODAループにおいて、

 

情勢判断(Orient)が最も重要なタスクであると指摘しています。

 

 

情勢判断とは、仮説の立案です。

 

 

営業における意思決定とは、この仮説検証の連続です。

 

 

「●●という情報をお伝えして、反応を得よう」という仮説を立てるということですが、

 

この●●という情報の切口を創れるかどうかが営業スキルです。

 

 

営業職の経験がある方はわかると思いますが、

 

この切口(引出し)の最適化が一朝一夕では難しいのです。

 

 

なので、フィードフォワードです。

 

 

顧客に対して、

 

どのような情報提供するのか?、どのようなアプローチをするのか?

 

という目的に向けた手段の取捨選択(次にどうするか?の意思決定)に、

 

マネージャーが介入して下さい。

 

 

この部分は、AIによるサポートが期待されています。

 

 

タイミングを教えてくれたり、類似性のある情報をヒントとして出してくれたり、

 

というモノから、観察される対象の質と量に比例して、

 

今後より高度な「仮説」の立案が提供できるようになっていきます。

 

 

一旦は、マネジャーの仕事です。

 

 

というよりも、営業マネジメントの本質ですので、

 

フィードフォワードを是非意識的に強化して下さい。

 

 

コーチングの神様といわれるマーシャル・ゴールドスミスは、

 

フィードフォワードを下記の様に説明しています。

 

 

人が“正しい”形になるように手助けをするのは、

 

彼らが“間違っている”と証明するよりもはるかに生産的だ

 

 

 


(3)意思決定(Decide)の省略が理想形


 

ジョン・ボイド氏の提示するOODAループには「暗黙の誘導・統制」という概念が出てきます。

 

 

これは、大部分の意思決定は、暗黙的であり、かつそうあるべきだという考えです。

 

 

つまり理想の組織とは「意思決定するぞ!」と畏まって明示しそれに合意する必要は無く、

 

各自が情勢判断して直接行動すればいいやん、ということです。

 

 

チャット・リチャーズ著:書籍『OODA LOOP(ウーダループ)』によると、

 

OODAループが最も効果的に実施される状態は、下図であるとのことです。

 

 

太い矢印は、通常の同期化したフローを示し、点線の矢印は、

 

暗黙的な指示が十分でないときにのみ使用されることを意味しています。

 

 

情勢判断された状況から、新たに情勢判断された状況への移行に関する時間こそが、

 

アジリティ(機敏さ)と競争力を規定すると言われています。

 

 

この「判断し続ける」スピードが重要だということです。

 

 

理想のマネジメント体制は、

 

フィードフォワードによる意思決定の支援を省略することです。

 

 

逐一の伺いやアドバイスを簡略化しても、

 

各自が最適なパフォーマンスを実施できるようにすることです。

 

 

しかし、行動によって得た情報(観察の対象)はしっかりと組織的に共有し、

 

各々の情勢判断のクオリティを高めていくことが求められます。

 

 

 


 

 

OODAループ、如何でしょうか。活用できそうでしょうか。

 

 

(3)は営業組織の1つの理想形のイメージですので、

 

まずは営業が起点となり情報取得し(1)、

 

それを営業組織としてフィードフォワードすることで(2)、

 

意思決定を最適化していく、という流れでお取組み下さい。

 

 

 

追記)

 

ウィキペディアによると、

 

OODAループの思考法は企業内での仕事、そして受験勉強や就活・婚活、スポーツなど、

 

広く社会生活全体に適用されるようになっている

 

とのことです。

 

 

婚活にどう適用されるのかがイメージできないのですが、

 

何かしら普遍性があるのでしょう。

 

 

営業以外の部分でもモデル化できないか考えてみます。

 

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