営業に必要なAR(拡張現実)力
拡張現実とは、現実世界に仮想世界を重ね合わせて表示する技術を指す言葉です。
Augmented Realityと表記され、ARと呼ばれています。
現実の風景の中にCGでつくられた3D映像やキャラクターなどの
デジタルコンテンツやデータを重ねて表示することで現実世界を”拡張”します。
ポケモンGOで使われている、コレです。
複合現実(MR)の一種とも言われ、
仮想現実(VR)のベースにあるのが映像であるのに対し、
ARのベースにあるのは現実世界である、という点が特徴です。
オードリーの若林氏があるラジオでこのようなことを言っていました。
ARのように“イメージを出現させる能力”がお笑い芸人には必要だ、と。
小道具や衣装、セットを使わなくても、
あるシーンの描写や架空の設定、キャラクターを聞き手にイメージさせる力は
確かに特殊能力と言って良いようなモノなのかもしれません。
この“AR(拡張現実)力”は、営業にも非常に重要なスキルです。
営業とは、課題解決の可能性を売っています。
その商品・製品・サービスを契約/利用したとしたらどうなるのか?という、
現実世界ではまだ起こっていない事象をイメ―ジしてもらわなければなりません。
クリアにイメージして頂けるよう、提案で支援することが営業の仕事のひとつです。
そしてこのイメージは、現実を拡張させたモノでなければなりません。
営業が提案・プレゼンを行う際、ついつい理想形(あるべき姿)を訴求しがちです。
勿論その切り口も必要なのですが、やり方を間違うと
「理想的ではあるが、現実的ではない」
「良いのはわかるが、うちでは難しい」
という評価になりかねません。
その場の商談自体は盛上りますが、契約には至らないのではないでしょうか。
実行するのは、自分達(顧客自身)であるという現実があるからです。
営業の提案は、現実から切り離された仮想(VR)ではダメなのです。
顧客の現状に立脚して、あるべき姿へと拡張しなければなりません。
実行・実現の可能性も同様に訴求が必要なポイントなのです。
良い!と評価してもらうと同時に、
できる(できそう※)!という評価の獲得を意識しましょう。
※予算的に購入できそう等の意味も含みます
狂気とは即ち、同じことを繰り返し行い、違う結果を期待することだ
アインシュタインに言わせれば狂気なのですが、
僕達は、できるだけインプット(やっていることやコスト)は変えずに、
望ましいアウトプット(成果)を得たいのです。
インプットが変わる(増える)ことによるストレス、
リソースとの兼ね合い、心理的なハードル、等々を考慮して提案しましょう。
現状がどう変化するか?というあるべき姿にフォーカスしつつも、
その為に現状の何を変えないといけないか?という現実に立脚した視点が必要です。
その為に必要な、AR(拡張現実)力という話でした。
追記)
若林氏は、先のラジオでこの様に言っていました。
上手な落語家さんの噺を聴くと、
それを後で思い出した時に落語家さんの姿ではなく、
噺を聴いた時に頭で描いた映像が記憶としてよみがえる
下手な落語家さんの場合は、それが浮かばない
営業パーソンも目指すべきは、この領域です。
後々顧客が提案を思い出してもらった際、
提案・プレゼンをしている営業パーソンの姿ではなく、
商品・製品・サービスを利用し変化している自分達(顧客)の姿を
イメージしてもらいたいモノです。