便りに頼らず音を立てる
”便りがないのは良い便り”という、諺があります。

連絡や便りがないことは無事な証拠である、という例えですが、
元々は、”No news is good news.”という、西洋の諺だそうで。
日常生活はそれでいいかもしれませんが、
ビジネスシーンにおいては、このコトバに甘えてしまってはいけない、
と反省している今日この頃です。
ついついやってしまいがちなのが、
「何か問題(課題)があれば、ご連絡ください」という、アプローチです。
因みに僕も、日常的に使用している文面です。
では、目下の明らかな問題(課題)がなければ連絡して来ないでください、
というわけでは勿論ありませんよね?
ビジネンスの基本は、顧客の問題(課題)解決であり、
それこそがカスタマーサクセスです。
顧客満足に終わりはなく、満たし続ける(満続)必要があります。
そう考えると、現状に問題がないのであれば、
次の課題へのステップアップを提言・進言していくべきです。
そのきっかけを、相手からの”便り”に”頼る”のは違うよね、という話です。
サッカー指導者の佐伯 夕利子(さえき ゆりこ)氏をご存知でしょうか。

スペインのプロリーグで、初の女性監督となった方なのですが、
育成年代のコーチ時代に、非常に興味深い指摘・気づきをされているので、紹介します。
”音を立てない選手”という切り口です。
以下、書籍『本音で向き合う。自分を疑って進む』(著:佐伯 夕利子)より引用抜粋、一部加筆修正
ある時から「音を立てない選手」に注目するようになった。
目立たない代わりに何も言わない。
ある種、大人(指導者)にとって都合のいい子(選手)は必ずいる。
彼ら彼女たちの優先順位をいつも後ろにしてきた。
彼らに対し、そもそもエンゲージメント(かかわりの頻度)がまったくない。
自分でも気づかないうちに、成長支援という義務を放棄していた。
その事実に私たちは目を向け始めた。
忘れられた存在の選手たちがたくさんいたことに気づき、その選手に対して私たちは何ができるのか?
私たちの仕事は、一人ひとりの成長機会、
学校でいうこところの学習権が同等に与えられる環境をつくることなのだ。
音を立てない選手に、こちらが音を立てよう。
そう私たちは決めた。
これは企業や大人の組織にもあるはずだ。
リーダーは、社員やフォロワーの静寂にいかに耳を傾けられるか。
それがなかなかできないことが多い。
静かだからつい自分のなかで「彼らは問題ない」としてしまう。
でも、リーダーが本当にしなければならないことは何か?と立ち返ると、
答えは全員の成長支援に行き着いた。
・・・なるほど、スポーツのコーチも大変です。
因みに佐伯氏のいう”音を立てる選手”とは、
目立つ選手や上手い選手、お気に入りの選手だけを指しません。
反発する問題児や、生意気で面倒な選手も含むそうです。
つまり、自ら音を立てている選手には、自分たちが望む望まざるに関わらず、
リソースを割くことなり、仕事をしている感は大いに発揮されます。
ただ、それでいいのか?という指摘です。
全員の成長支援をするのであれば、
音を出さない選手には、こちらから働きかける(音を立てる)べきである、と。
ビジネスシーンにおいても大いに参考にするべき視点ではないでしょうか。
相手からの便りに頼らない。
こちらから音を立てていきましょう。
いくつか参考にして頂ければ、という記事を下記に記載します。
未読なモノがあれば、是非!(タイトルか画像をクリックください)
問題が発生していないのであれば、気にしなくていいので?とお感じの方。
実は、問題提起(問題を創り出す)こそ、営業の付加価値といえます。

要は、相手を気にかけましょう、ということなのですが・・・。
ポイントは、自身を”気になるようにする”です。

こちらから働きかけるとなると、仕事(負荷)が増えそうですか?
増えるでしょうね、ただそれこそが・・・

追記)
佐伯夕利子氏の書籍、面白いですのでオススメです。
メディアにも色々と出ておらレますが、どの話も興味深いです。
下記も佐伯氏出演の番組を参考にさせてもらっています。
未読の場合は、是非(タイトルか画像をクリックください)
