顧客視点の獲得に向けて
営業という仕事で成果を出す為に、絶対に経験しておいた方が良いことがあります。
それは“買う経験”です。
正確には“営業される経験をすること”です。
新卒入社で営業に配属された、と考えてみて下さい。
BtoBであれば、そもそも会社組織がどのような購買プロセスをとるのかがイメージできません。
BtoCであれば、学生時代に買い物の経験はあったとしても、
ある程度高額な商品/サービスを営業されて購入した経験を持つ人は稀でしょう。
それでも「顧客の気持ちになりなさい」と指導されるのです。
ここが、正直難しく、躓くケースが多いのではないでしょうか。
このギャップを埋められる思考力・想像力こそが営業センスであるとも言えますが、
“顧客視点の獲得”は、営業パーソンにとって非常に重要な要素です。
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そのアプローチについて、考えてみます。
(1)実際に経験してみる
これが非常に手っ取り早いのですが、実際に経験・体験してみることです。
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仮に新卒入社時に戻れるのであらば、役員や総務部門にお願いして、
実際に営業される立場の商談に同席させてもらいたいです。
そこで、組織として何をどう評価し、最終的な決定を下すのか?というプロセスを経験すれば、
非常に営業時の参考になります。
因みに、営業してくれた方(企業)がイマイチだったら?という懸念もありますが、
それはそれで反面教師として、有益な経験です。
僕自身も昔、営業される経験をしようと、買う気もないのに住宅展示場を回ってみたこともあります。
その節はすみませんでしたが、色々と気づきもありました。
同じく買う気も無く、保険の提案をしてもらった際に、そのまま契約してしまったこともあります。
これも顧客心理を理解するうえでは、良い経験でした。
是非、営業される機会を創ってみて下さい。
(2)ロープレでは顧客役もやる
営業ロープレは、多くの企業様で実施していると思いますが、顧客役を経験させてみて下さい。
その際の注意点は、事前にしっかりと顧客像を想定しておくことです。
単に顧客役で営業の話を聴くだけでは、あまり意味がありません。
顧客のニーズや予算感、意思決定の方法などを予め想定しておき、
「・・・だったら、こう答えるな」
という顧客の思考プロセスを経験することが重要です。
ロールレタリングをご存じでしょうか。
役割交換書簡法とも呼ばれる心理療法の一種なのですが、
少年院や刑務所の更生プログラムのひとつとしても取り入れられているそうです。
自分から母親などの特定の人物に宛てた手紙を書き、
次に相手(母親)から自分への手紙(返事)を書く、という一人二役を行います。
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この作業により、双方の役割を体験することで、内省が促され、様々な気づきを得られるそうです。
自分の脳内でいいので、営業役・顧客役の一人二役で、
会話のキャッチボールをシミレーションしてみましょう。
顧客役の際に、営業に都合の良い反応(回答)ばかりでなく、
顧客の立場で考えたら・・・?というリアリティが持てるかどうかがポイントになります。
(3)4P→4Cのフレームワークで考える
Product,Price,Promotion,Place, の頭文字をとった4Pは、有名なマーケティング用語のひとつです。
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そして、4Pは“売手の視点”であるとも言えます。
これを“買手の視点”に変換したものが、4Cです。
まとめると、下記です。
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どちらが優れているというわけではなく、営業を行ううえで4Cの視点が不可欠です。
訴求している製品の良さは、顧客にとっての価値に言い換えられていますか?
提示している価格は、顧客はコストとして投資の判断をしています。
一方的なプロモーションではなく、相互のコミュニケーションが図られていますか?
提供方法(流通)が多様化する中で、顧客が求めているのは利便性です。
4Cの切口を意識して、顧客への提案を見直してみましょう。
以上、顧客視点を獲得する為のアプローチをまとめてみました。
忘れてはいけないのが、顧客の視点は唯一絶対なモノがあるわけではなく、
その時々、状況によっても変化し続ける、ということです。
顧客の立場を理解し、その視点の獲得をはかりつつも、わかった気にならず、
素直にフラットに「どのようにお考えなのか?」を考え、
そして「どうすれば営業としてお役に立てるのか?」を思考することに営業の価値があります。
顧客視点の獲得を是非進めてください。
追記)
顧客視点という切り口においては、3C+2Cのフレームワークも併せて重要です。
詳細は、こちらからご確認下さい。
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