数字は嘘をつかないが-数字の留意点と活用視点-
今日も疲れたなぁ・・・と呟きつつ、コンビニに立ち寄ったと想像して下さい。
そこに、栄養ドリンクがありました。
「えっ!?タウリン1000mgもはいってるやん!これはいいぞ!!」
とは、恐らくなりませんw
そもそもタウリンが何モノかもよくわかりませんし、
どれくらいの摂取量から効果があるのか、お得なのかもわからないからです。
ですが、栄養ドリンクには<タウリン1g>とは書かれないのです。
1g=1000mgなので、メッセージとしては一緒のはずですが、
1000mgと書かれている方が、なんとなく“良く”感じるからです。
世の中の数字には、このような発信者側の意図が多分に含まれています。
数字に触れる上での留意点と、マネジメントに活用したい視点について纏めています。
その数字を建設的に疑う
数字も言語の一種であると考えると、
その数字は何かしらの意思決定や行動要請を促がすモノとして使用されるはずです。
・顧客満足度〇%!
・利用者の〇割が効果を実感!
・合格実績〇人!
その数字自体は「事実」かもしれませんが、
なぜそのような伝え方をしているのか?という意図を見てみましょう。
・何を期待(=どのように思われたい)している数字か?
・どのような定義で集計、計算されているのか?
・(割合の場合などは特に)分母、分子は、それぞれ何か?
キーワードは建設的に疑う、です。
穿った見方をした方が良いわけではありませんが、
その数字の表現に疑問を持ち、発信者の意図をくみ取りましょう。
なぜだろう?どうしてだろう?という疑問、好奇心を持つことです。
それが、こちらが数字を伝える際にも活きるはずです。
伊藤惇夫氏(政治アナリスト)の言葉です。
“数字は噓をつかないが、噓つきは数字を使う”
騙されないように、
そして嘘つきにならないように数字を疑ってみましょう。
ストック指標とフロー指標の活用
ビジネスにおいて、仮説検証をするうえでも数字は欠かせません。
目標・基準値に対する現状が明確に数値化されているからこそ、
対策が立てられるからです。
押さえておいて頂きたい二つの視点が、ストック指標とフロー指標です。
成果を獲得する為のプロセスにおいて、
・ステータスの量を計測し、指標化したものが「ストック指標」
・ステータス間の遷移状況を表したものが「フロー指標」
です。
営業プロセスで考えてみます(簡素化しています)。
※ご自身のお仕事の内容によって、当てはめてみて下さい
引合リストに対し、訪問接触し、提案し、受注するとします。
それぞれのプロセスの件数が、ストック指標です。
そして、後プロセス÷前プロセスの割合が、フロー指標です。
ですので、ストック指標は単純に〇件となり、フロー指標は〇%になります。
多くの組織で、ストック指標は問題なくマネジメントされていると思いますが
このフロー指標も掴んでおいてください。
先の営業プロセスにおいては、フロー指標が掴めていることで、
何をどれくらい改善すればいいか?の仮説が立てられるからです。
・自分のアポ率は〇%なので、リストを〇件に増やさないと
・活動量を考えると、提案率という質を上げないと目標に届かないな
・他の人に比べて受注率が低いなぁ、クロージングを見直してみよう
という仮説が立てられるかもしれません。
この数値化の意図は、
プロセスにおけるどの指標の改善がより成果に繋がるのか?
という疑問を誘発することです。
営業活動の分析、改善を数字という共通言語で実施できる組織は強いです。
是非組織内で取組んでみて下さい。
以上、数字に触れる上での留意点と視点についてでした。
特に“建設的に疑う”という姿勢は、
数字を対象としたシーンに関わらず、営業に不可欠なスキルであると言えます。
詳しくは、下記もご参考ください。
追記)
因みに、タウリンとは生体内で遊離した状態で存在する含硫アミノ酸様化合物の一つで、
肝臓の働きを活発にする機能があるそうです。
一日の摂取量は500mgが目安だとか。。。