アブダクションの活用-その事実に驚きたい-
ビジネスシーンにおいて、限られた情報から、
正しいであろう意思決定をすることは極めて重要です。
※未読の方は、タイトルか画像をクリック
![](https://emp-consul.com/wp-content/uploads/38f4f6e832e1d9e7d6fa55af96138ad2-279x300.png)
所謂、推論において、
ビジネスパーソンとして是非身に付けておきたい思考法のひとつが“アブダクション”です。
聞き馴染みのないワードかもしれませんが、
演繹法・帰納法と並ぶ、第三の推論法として提唱されています(※)
※チャールズ・サンダース・パース(米国の哲学者)によって
位置付けとしては、下図のようになります。
![](https://emp-consul.com/wp-content/uploads/4677f57c3e0339b54f91380c721c8e35-300x107.jpg)
※書籍『アブダクション 仮説と発見の論理』(米盛裕二著)より
アブダンクションは、モノゴトの発見や、新たな気づきを得る際に適した推論です。
ざっくり言ってしまうと、仮説をつくる、ということです。
「A(出来事・理由)➡️B(結果・現象)」という関係性で説明します。
我々が目にするのは、まず「B」という結果であり現象です。
それらを発見した際に、
その背景には「A」という出来事・理由があるのではないか?と考えることができます。
この”A➡️”の可能性を閃めくことが、アブダクションです。
その事実(結果・現象=B)がなぜ起こったのか(A➡️)について説明を与える、
”説明仮説”を形成する推論がアブダクションである、と言われています。
ビジネスシーンで少し考えてみましょう。
お客様から、ある商品のお問合せを頂いたとします。
お話を伺う中で、
「あれ?なんでこの機能について詳しく聞かれるのかな・・・」
「もしかして、〇〇という検討背景がおありなのでは??」
と考えることができます。
これが、お客様の言動・行動を説明できる仮説を立てる、ということです。
この思考ができれば、
「もしかして、〇〇でお悩みですか?」
「〇〇が懸念であれば、〇〇という方法もあります」
というように、
本質的なニーズへのアプローチや阻害要因に対しての先回りが可能になります。
なんとなくイメージ頂けますでしょうか。
では、どうすればアブダクションを会得・活用することができるのか。
アブダクションの例として、
しばしばニュートンの万有引力発見のエピソードが用いられます。
![](https://emp-consul.com/wp-content/uploads/6578f225ef49423b92d90e53c629816c-291x300.jpg)
そこにヒントがありましたので、ご紹介します。
以下、書籍『アブダクション 仮説と発見の論理』(米盛裕二著)より引用、加筆修正
ニュートンの思索の非凡なところは、まず林檎が落ちるという事実に対するかれの「驚き」にあります。
「林檎は何故いつも垂直に、地球の中心に向かって落ちるのか」という、
ニュートンの驚きと懸念そのものが、かれの独創的な洞察力と想像力によるものです。
勿論、ニュートン以前の人々も林檎が落ちるのを見てきているし、
物体は支えられていない時には落下するということは、誰もが知っています。
しかし、彼らにとっては、林檎が落ちるという事実は、何ら意外な出来事ではなく、
「驚くべき事実」ではなかったのです。
しかし、ニュートンにとっては、「驚くべき事実」でした。
この事実を説明する為に、ニュートンは頭の中で考えた。
物体の中には引力が働いていて、それが地球の中心に集中しているのでなければならない。
そして、一つの物体が他の物体を引くとしたら、その引力の大きさには比例関係がなくてはならない。
つまり地球が林檎を引いているとしたら、同様に林檎も地球を引いている、と考えなくてはならない。
これが、「驚くべき事実」を説明する為にニュートンが考え出した「説明仮説」です。
このニュートンの思索が普通の帰納的推論と違う点は明らかでしょう。
ニュートンは、事実をあれこれ観察し、その観察事実を集めて整理し、
分析し、一般化することによって、万有引力の原理を発見しているのではありません。
そもそも「林檎は何故いつも垂直に、地球の中心に向かって落ちるのか」という
驚きと問いがなければ、ニュートンの思索と探求ははじまりませんでした。
つまり、優れた洞察力や想像力、熟練した推論の技術も必要ではありますが、
最初に必要なのは、「驚くべき事実」です。
発見される結果・事象(行動・言動)に、「あれ?」と疑問を持つことです。
その事実に、驚けるかどうか?です。
どうやらそれが、
アブダクションを会得・活用する為の原点であり、原動力なようです。
日々の仕事から、疑問を探し、驚くべき事実を見つけていきましょう。
では、どうすればそもそもの「疑問」を持てるのか???
という話になると思いますので・・・
詳しくは、下記もご参考下さい。(タイトルか画像をクリック)
![](https://emp-consul.com/wp-content/uploads/ea07f276-300x225.jpg)
追記)
アインシュタインのコトバだそうです。
![](https://emp-consul.com/wp-content/uploads/93f1db19db6bbdb6e14b36b7bf77559f-209x300.jpg)
”経験をいくら集めても理論は生まれない”
理論の素材となるのは、帰納的に蓄積される情報であり経験ですが、
最後はそこにハッとした気づき、閃きこそが求めれます。
それが、アブダクションです。
経験をコツコツ貯めるのではなく、手っ取り早く身につく方法ですか?
・・・閃きませんね。。。驚くほどに。
<オンラインセミナー(無料)開催中!お気軽にご参加下さい>
→ 詳しい日程や詳細は、こちらから(若しくは画像をクリック)
![](https://emp-consul.com/wp-content/uploads/f0f7a7dcb04a3578e631c34aa4e5d69c-300x212.jpeg)