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見えている情報から推察する力

いきなりですが、皆さんが空軍の幹部になったとイメージして下さい。

 

 

 

現場から、次のような情報(報告)があがってきます。

 

 

「戦場から無事に生還した爆撃機の弾痕分布を纏めました!」

 

※マイホームアフロ田中 第25話 成功者の意見 より

 

 

 

「どの部分の装甲を強化すればいいでしょうか!?」

 

※マイホームアフロ田中 第25話 成功者の意見 より

 

 

 

さて、皆さんならどのように意思決定するでしょうか。

 

 

 

これは、第二次大戦中のヨーロッパ戦線において、実際にアメリカ軍で起こった話だそうです。

 

 

 

因みに、「被弾されている箇所を重点的に強化する」は、ひっかけです・・・

 

 

 

以下、書籍『すごい統計学』(本丸 諒 著)より引用、加筆修正


 

アメリカ軍は、ドイツ軍による地対空の機銃掃射から、

 

どのように爆撃機を守るか、という対応に迫られていました。

 

軍は被弾対策として「損傷部分の多い箇所の装甲を厚くする」

 

という方針を立てたのですが、あまり機体を重くしたくない。

 

そこで、何ミリほど装甲を厚くすれば機銃掃射にギリギリ対応できるのか、

 

コロンビア大学の統計研究グループに所属していた、エイブラハム・ウォールドに相談しました。

 

ウォールドの答えは、彼ら(アメリカ軍)の予想を裏切るものでした。

 

彼の答えは「弾痕のない部分の装甲を厚くする」だったからです。

 

纏められた損傷パータンは、「生還した爆撃機」の弾痕パターンです。

 

つまり、その部分に当たっても爆撃機は生還できたわけで、

 

逆に言えば、それ以外の部分に当たった爆撃機は生還できなかった、と言えます。

 

それなら、その「生還できなかった損傷パターン」の部分の装甲を厚くすればいい、と考えたのです。

 


 

 

 

なるほど!と思われたのではないでしょうか。

 

 

 

単純にデータで得られた被弾個所を強化するのではなく、

 

生還できなかった機体の被弾個所を想像(推察)する必要があるのです。

 

 

 

ビジネスシーンにおいても、

 

意思決定に必要な全ての情報が常に揃っているわけではありません。

 

 

得られている情報から、推察し、仮説を立てて判断することが求められます。

 

 

 

では、どのようにすれば、この推察スキルは上げられるのでしょうか?

 

 

 

ひとつのアプローチは、推察したことを言語化し、オープンに共有することです。

 

 

「このような情報から、こう推察した」

 

 

という情報(報告)に対し、

 

チームで知恵を出し合えば、意思決定の精度・質も上がるのではないでしょうか。

 

 

 

SFAは、発生した事実情報を蓄積、共有するだけではありません。

 

 

 

そこから推察された「判断」をマネジメントするツールでもあるのです。

 

 

 

是非、そのような視点でも情報の活用に取り組んでみて下さい。

 

 

具体的な記述方法については、下記にも纏めておりますので、ご参考下さい。

 

 

▼傘を持っていく思考プロセスを追え

 

 

 

追記)

 

因みに、上記の事例では、

 

装甲を強化したのはコックピットとエンジンだったそうです。

 

 

 

・・・いや、そんなこと(そこが大事なことくらい)データ無くてもわかるやろ!!

 

 

と吠えてた現場(パイロット)は・・・・、いたでしょうね・・・

 

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