気持ちが大事のバスタブ曲線
「○○はメンタルのスポーツである」

一流のアスリートのインタビューや書籍では、こう述べられることが多々あります。
結果を残している第一線の人達の言葉なので、重みが違います。
恐らくこの○○には、あらゆるスポーツが当てはまります。
またスポーツだけでなく、eスポーツや将棋やチェスなどの盤上の戦い、
そして僕たちのビジネスシーンでも例外なく同じことが言えるのではないでしょうか。
気持ち次第。
気持ちが大事。
最後は気持ち。
それは、全くもってその通りなんでしょう。
ただ、気持ちの重要性が”常に・全て”ではないということから、
結果(パフォーマンス)における”気持ち(メンタル)”の関係性は、
バスタブ曲線のようになっているのではないでしょうか?

バスタブ曲線とは、基は機械や装置の故障率と経過時間の関係性を表したものですが、
パフォーマンスにおけるメンタルとスキル習熟度にも近しい関係があると考えてみます。
縦軸にメンタル(気持ち)が与える影響、
横軸にスキル習熟度(フィジカルや戦略なども含めて)をとります。

スキルが無い段階は、気持ち・やる気でカバーするアプローチが有効です。
つまり、パフォーマンスにおけるメンタルの影響力が高いと言えます。
ただ、一流どころのいう「気持ちが大事」はこの段階を指しているわけではありません。
スキルの習熟度が高い、右端の段階です。
心技体でいう、技も体も鍛えあげた中での戦い。
当然、戦う相手も仕上がっているはずです。
その中で、最後に勝敗を決するのは・・・、ということではないでしょうか。
こう考えると、精神論が有効な組織とは、スキルの習熟度が高い組織であると言えます。
「気持ちが大事」を通用させるには(そう指導するには)、
気持ち以外の大事なことをやりきっていないといけません。
さて、皆さんの組織は、バスタブ曲線のどの段階にあるでしょうか?
先のバスタブ曲線とは別に、
パフォーマンスにおけるメンタルの比重(影響力)が急騰するケースがあります。
それが、不測の事態。
特に、外部環境によって齎される、いわゆる”ピンチ”です。
『BE BLUES!〜青になれ〜』というサッカー漫画に出てくるあるシーンです。
以下、出典:『BE BLUES!〜青になれ〜』第241節 アイコの出番だ!より
高校サッカーのトーナメントでの出来事です。
主人公のチームは、実力では勝る相手に対して、悪天候(大雨)の影響でなかなか試合をリードできません。
このままで大丈夫か?という不安がチームに募る中、ハーフタイムの監督からの指示を待ちます。
どんな策を授けてくれるのか?と待ち構える選手の期待に反して・・・

監督は「気持ちが大事」と説きます。

期待の外れた選手たちは、精神論かよ、と引いてしまいます・・・

しかしそこでも、通訳の女子が正に”気持ち”でその真意を伝え、
奮起を促す、という名シーンです。

ここでも重要なのは、「最後は気持ち」と言えるくらい、
普段からの練習や積重ねを通して、自分たちの実力に自信と確信を持てているかどうかです。
ここが薄っぺらいと「気持ちが大事」がいくら正しくても、乗れないのです。
さて、皆さんの組織は、不測の事態(ピンチ)に精神論が有効な状態でしょうか?
精神論を毛嫌いする必要はありません。
同時に、過度に信奉する必要もありません。
使い所と、それが効果的な状態(組織の成熟度)か?が問題です。
「気持ちが大事」を効果的に使える組織を目指し、創りあげていきましょう。
追記)
『BE BLUES!〜青になれ〜』は、あのシーンの後見事に勝利を飾るのですが・・・
少年漫画なので、可愛い女子に発破をかけられたことが大きく影響します。

出典:『BE BLUES!〜青になれ〜』第241節 アイコの出番だ!より
まぁ、仕方ない。
気持ちはわかり過ぎる。
つまり、それを誰に言われるのか?も決定的に重要、ということですね。。。
同じような内容で、下記もご参考ください(タイトルか画像をクリック)
