チームを勝たせる人材−心を合わせられる力−
体育会系というコトバに、どのような印象を持ちますか?
体育会の運動部などで重要視される、目上の者への服従や根性論などを尊ぶ気質
また、そのような気質が濃厚な組織
という意味合いなようです(『デジタル大辞泉(小学館)』より)。
採用や就職活動において、
この「体育会系かどうか」が重要視されている傾向は、肌感覚としてあります。
確かにステレオタイプではありますし、
もはや偏見とバイアスの類ではあるのですが・・・。
ある講演で、本件に関して非常に納得感のある指摘を聞きました。
組織が本当に求めるべき資質は、”心を合わせられる力”であると。
その講師は、甲子園に出場するような強豪校、というケースで例えられていました。
強豪校にスカウトされる選手(学生)は、他県からの進学がザラです。
チームメイトは昔からの友人でもなければ、地元も違います。
バッテリー同士の価値観や考え方が一致しないのも、当たり前です。
ただそれでも”勝利”という共通の目標に向かって、一緒に戦います。
単純に野球が上手いという能力だけでなく、
価値観の異なる者同士が、「心を合わせる」ことができているかどうか、が
勝敗を分けているのではないか?ということです。
仮に、これまで採用した体育会系出身者が成果を出しているのであれば、
それは根性や理不尽に耐える力に起因するのではなく、
共通の目的に向かって異なる価値観(心)を合わせることに、
長けているからではないか?という指摘でした。
僕自身は、この考え方に非常に納得した次第です。
これは、実際にプロの世界(ドラフト)でも重要な視点らしいです。
漫画『ドラフトキング』 第105話 選ばれた男たち② より
スカウト達が、自分が推す選手を責任者にプレゼンします・・・
身体能力や野球のスキルは勿論のこと、
チームを勝たせることができる能力・ノウハウ・人材は、得難いのです。
そして、心を合わせるには、相互理解が欠かせません。
ただし、この相互理解がビジネスやプロの世界においては、
普段のコミュニケーションとは一線を画す点は、要注意です。
ピーター・ドラッカーは、以下のように指摘しています。
以下、書籍『明日を支配するもの』(著ピータードラッカー)より引用、抜粋
成果を上げる秘訣の第一は、共に働く人たち、自らの仕事に不可欠な人たちを理解し、
その強み、仕事の仕方、価値観を活用することである。
仕事とは、仕事の論理だけでなく、共に働く人たちの仕事ぶりに依存するからである。
組織における摩擦のほとんどは、互いに相手の仕事、仕事の仕方、重視していること、
目指していることを知らないことに起因している。
その原因は、互いに聞きもせず、知らされてもいないからである。
知識労働者たる者はすべて、部下、同僚、チームのメンバーに、
自らの強みや仕事の仕方を知ってもらう必要がある。
組織は、もはや権力によって成立しない。
信頼によって成立する。
信頼とは好き嫌いではない。
信じ合うことである。
そのためには、互いに理解していなければならない。
好き嫌いを超えて、互いを理解し、
共通の目的に向かって心を合わせられる力が重要なようです。
採用や育成に、そのような視点も持たれてみてはどうでしょうか?
追記)
ちなみに僕自身は、学生時代にスポーツをやっていた時期もありますが、
体育会系か?と言われるとそこまでではないですね。。。
体育会系を採用することが唯一の正解とは思いませんが、
心(力)を合わせるスキルは、チームにとっては間違いなく重要です。
どのすればそのような人材が採用できるか?はよくわかりませんので、
その力の育み方として、以下もご参考ください(タイトルか画像をクリック)
ポイントは、関心を共有することから、です。
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