顧客に選ばれる為の営業差別化戦略
営業活動において、他社との差別化・セールスポイントの訴求は、誰もが意識しています。
まさに営業力を発揮するべきタイミングですが、
残念ながら、ピントがズレていたり、空振りに終わってしまうケースも多々見られます。
これは「お客様の頭の中(判断軸)で、どうポジションをとるのか」を明確にすることで、
驚くほど改善できます。
意図的・戦略的に、お客様の意思決定を支援する、というイメージが大切です。
以下、具体的に見ていきましょう。
▼ Index
・検討の網の目から落ちないように
・お客様の頭の中(判断軸)で、最適なポジショニングをとる
・強みの明確化がマスト
・価値=強みをどう伝えるか
・本来の力が発揮できる理想的な状況をつくる
・まとめ
・最後に
▼ 検討の網の目から落ちないように
我々は、常に比較検討されています。
対象の商品・製品・サービスが、唯一無二のモノでない限り。
ただ、厳密には「購入しない」も選択の1つなので、例外なく比較はされます。
漫画「はじめの一歩」をご存知ですか?
プロボクシングの世界を描いたスポーツ漫画ですが、プロとして過酷な環境を生き残ることを
「網の目から落ちない」と表現している一節があります。
※以下、出典:『はじめの一歩』83巻「Round793:石[さいのう]の形」より
生残る方法は2通り。
1つは、網の目よりも大きくなること。
もう1つは、網の目に引っかかること、です。
営業も同じです。
網の目から落ちない=お客様の検討の対象になる、とイメージして下さい。
総合力・ブランドで生き残る(デカい石になる)か、
差別化・差異化で生き残る(尖った石になる)か、のどちらかが必要なのです。
▼ お客様の頭の中(判断軸)で、最適なポジショニングをとる
ただ、この「判断軸」は世の中で統一された基準が存在しているわけがなく、曖昧です。
自社(自分)が何と比べられ、どのように判断されているのか?をお客様任せにしてはいけません。
こちら(営業)が決めるのです。
それでこそ、プロ。
お客様の頭の中で、最適なポジショニングをとりましょう。
意図的に、戦略的に。
▼ 強みの明確化がマスト
お客様に判断・選択してもらう為には、自社の強みを明確にお伝えできなければなりません。
この「強み」を明確にする為に、3Cのフレームワークを使ってみましょう。
・Customer :顧客が求めること
・Company :自社にできること
・Competitor:競合にできること
この3つの円を重ねた、黄色い部分↓
ここが「強み」です。
よくある間違いが、3つの円が一番重なっている中心を「強み」と定義してしまうこと。
顧客が求めていて、自社のリソースで対応できたとしても、仮に競合の方が、
自社よりもうまく「できる」場合、相対的には「弱み」になってしまいます。
なるべく、競合のできること(やっていること)から外れていることが理想です。
・なぜお客様は自社(自分)から買ってくれるのか?
・仮に自社(自分)が無くなってしまったら、困るのは誰で、それはなぜか?
を自問自答してみて下さい。
それが、自社(自分)だからこそ、提供できる「価値」。つまり、「強み」です。
▼ 価値=強みをどう伝えるか
スティーブ・ジョブズは言いました。
「いくら素晴らしいものをつくっても、伝えなければ無いなのと同じ」だと。
価値=強みの伝え方について、次の3つのポイントを参考にして下さい。
ポイント① 比較するなら2つではなく、3つ
競合他社・サービスの比較をする場合、自社を含めて3つでの比較をお勧めします。
そうすることで、より立体感が出て、比較をイメージしやすくなります。
またその際に、比較するポイント・軸を、いくつか用意しましょう。
例えば、カフェをどうやって選ぶか?で考えてみます。
ドトール・スターバックス・コメダ珈琲の3店舗を、コスト・フード・タバコ有無の
3軸で比較すると下記のようになります(私の主観も入っていますが・・・)
店舗 | コスト | フード | タバコ | 利用シーン |
ドトール | ◎ | △ | 必ずある | 1人なら・・・ |
スターバックス | ◯ | △ | 基本なし(外) | デートなら・・ |
コメダ珈琲 | △ | ◎ | 基本ある | 家族連れなら・・ |
そうすると、選ぶ側(お客様)は利用シーンが想定できます。
・仕事中の時間調整ならドトールかな?
・デートで行くならスターバックスかな?
・家族・子供で行くならコメダ珈琲かな?
という感じです。
お客様の意思決定・イメージを助けましょう。
ポイント② 比較対象は必ずしも競合他社とは限らない
仮に唯一無二の商品・製品・サービス持っていたとしても、比較対象となる選択肢は存在します。
自分たち(お客様)で内製する、代替手段、そもそも買わない(やらない)すら、選択肢です。
●●駅のCDショップの売上が低迷したとして、原因は■■駅の競合店か?と言われれば、
そうでは(それだけでは)ありませんよね。
比較対象・競合先は、柔軟に考えましょう。
ポイント③ あえて自社を選ばない方が良い場合(デメリット)を伝える
多少テクニカルになりますが、あえて弱みを率直に話すことで、強みが強調されます。
・この商品は●●が最高で、■■が提供できるのはうちだけです!
・どのお客様にも▲▲をご好評頂いていて、、、
と、良いところばかりを強調されるとどうでしょうか?
疑いたくなりませんか?
それが本当だったら、全員あなたから買うでしょう?と。
逆にネガティブな点をこちらから示すことで、皮肉にも相手はネガティブな要素を探すことを止めます。
・●●の部分は正直あまり力を入れていないのですが、その分■■には強くて〜
・▲▲のお客様には合わないかもしれませんが、▼▼であればピッタリです!
と、言われる方が、肝心の強みに対する信頼性が増すのです。
ネガティブ情報についても、こちらから伝える準備をしておきましょう。
▼ 本来の力が発揮できる理想的な状況をつくる
要は、お客様に、●●という状況で、■■にお困りなんですよね・・・・
「であれば、うちでしょうね!」と自信と確信を持って、言って差し上げたいのです。
全てのお客様の如何なる状況にも最適な商品・製品・サービスは現実的ではありません。
自社の差別化が際立つ、ポイントを訴求しやすいような
シチュエーションを意図的に作ることが必要です。
この商談の場をプロデュースする、という発想を持ちましょう。
セールスパーソンは、自身の営業力を磨くと共に、
戦う場を整える力(=マーケティング力)も必要なのです。
▼ まとめ
お客様に選ばれる為には、お客様の頭の中で最適なポジショニングを取らなければなりません。
「最適」とは、自社(自分)の力が最も発揮でき、他選択肢との差別化が明確な状態です。
前述の考え方を踏まえ、下記3点を整理して下さい。
Q1:自社(自分)の強みは何か
Q2:競合比較ポイント(=比較軸を何にするか)
Q3:求める商談の状況(どのような状況・機会で商談をしたいか)
営業の仕事とは、お客様の意思決定において、(プラスの)影響力を発揮することです。
その為には、強み(差別化)のメッセージ化が必須、という話でした。
健闘を祈ります。
▼ 最後に
ポジションを確立せよ〜顧客に選ばれる為の営業差別化戦略〜 に関する、
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