顧客と一緒に思考する意味-SPINの活用-
問題提起をすることが、営業の付加価値です。
※詳しくは【心健やかな顧客への問題提起-営業の付加価値-】へ(画像クリック)
では、如何にして問題を具体化し、その解決を図れば良いのか?
SPINというフレームワークが使えますので、ご紹介します。
※営業以外でも対人関係(部下マネジメント含む)に置換え可能です
▼SPIN(スピン)とは
SPINとは、英国の ニール・ラッカム氏が提唱した提唱営業方法です。
Situation(状況)
Problem(問題)
Implication(示唆)
Need payoff(解決)
の頭文字からなる、質問を主体とした営業手法です。
各質問の形式と問題の構造との関係を組合わせると下記のイメージです。
SPIN質問を上手く進めていくコツとしては、
状況質問と問題質問は、あまり根掘り葉掘りやり過ぎないことです。
検討状況や背景の確認、問題の尺度を合わせることは勿論必要なのですが、
事前に調べて解ることや、容易に予想できる部分は省いて良いです。
やり過ぎると、取調べみたいな感じになってしまいます。
そして、重要になってくるのは、示唆質問と解決質問です。
現状を押し下げる示唆質問により、
現状が維持され続けることによるリスク・デメリットを訴求し、
あるべき姿を押し上げる解決質問により、
あるべき姿が実現されることによるリターン・メリットをイメージして貰うことが必要です。
示唆質問と解決質問を上手く活用することで、
提案の価値を高める(=ギャップが大きくなる)ことがポイントです。
▼具体例として(イメージ)
【心健やかな顧客への問題提起-営業の付加価値-】で挙げている内容を例に、
具体的に考えてみます。
■発生型の問題(机の整理整頓を提案したい)
■設定型の問題(WEB商談への対応を提案したい)
なんとなくでもイメージ頂けましたでしょうか。
あくまでも簡易的な例ですので、
是非皆さんの商品・製品・サービスでシミレーションして下さい。
▼SPINを進めるプロセスに価値がある
SPINのフレームワークをそのまま実践しようと思うと、
顧客が知らないベストな解決策を営業が理解していることが求められます。
なかなかに高いハードルです。。。
勿論その様なケースもあると思いますが、
多くの場合では、営業としても探り探りではないでしょうか。
それ(解決策)は仮説であって、こうじゃないかな?という朧げなモノです。
しかし、それで良いのです。
むしろ、それが良いのです。
その仮説を基に、顧客と一緒に思考することに価値があるのです。
SPIN質問に一緒に悩み、考え、議論しましょう。
営業が提供すべきは、思考する為のきっかけであり、視点、切口です。
答えを出す(出せる)のは、顧客です。
何故なら、営業にできることとは顧客の意思決定の支援であり、
最終的な決断と実行は、どうしても顧客のタスクだからです。
そして、実行される意思決定には、
自ら(顧客自身)がしっかりと思考したというプロセスが欠かせないのです。
出典『アオアシ』第273話 この、1年 より
問題提起し、
その解決策の立案・検討・実行迄を支援することが営業の仕事です。
実行力を高める為にも、
顧客の意思決定プロセスに関わり、一緒に思考しましょう。
追記)
SPINのフレームワークは、質問で構成されています。
つまり、顧客には、質問に答えて貰わなければなりません。
しかし、困っていることや発生している問題、戦略・計画、
やりたいこと・できていないことは、言いたくないこともあるかもしれません。
顧客がそれらを提示する(=質問に答えてくれる)ということは、
そうすることでのメリット(=良い提案になる)を期待するからです。
営業は、話すに値する相手だと認識してもらい、
期待されることが重要であり、スタートラインなのです。
その為には、アンカリングという考え方をぜひ活用して下さい。
詳しくは【アンカリング−提案営業におけるプロセス強化のカギ−】へ(画像をクリック)