効果的な玉入れの練習から考える
運動会でお馴染みの玉入れをイメージして下さい。
あれに効果的な練習方法は何か?と問われればどうでしょうか。
ひたすら投げる練習をするくらいかなぁ?と思いますが、面白い実験がありました。
以下の内容は書籍『夢を叶えるために脳はある』(池田裕二著)より作成
90センチメートル先のカゴに玉を投げ入れるテストをします。
練習を2つのグループに分けます。
1つ目のグループは、90センチメートルのテストなので、
ひたすら90センチメートルから投げる練習をして本番に望みます。
2つ目のグループは、90センチメートルからの練習は一切せず、
代わりに60センチメートルと120センチメートルの距離から投げ入れる練習を交互にします。
さて、結果はどうなるでしょうか?
なんと、2つ目(90センチメートルから投げない)のグループの方が、良い成績を上げます。
本番で失敗する回数が、ほぼ半減したという結果もあります。
これは、意外ではないでしょうか?
同書によると、
1つの距離からしか練習しないよりも、2つの距離から練習することで、
力の入れ具合の勾配を学習することができ、
対象を「点」ではなく、背景(地形)も含めて捉えることができたことが
大きな要因だそうです。
それがひいては、応用力につながっていく・・・と。
なるほど・・・。
これは仕事においても、非常に有益な視点ではないでしょうか。
実際に、玉入れだけでなく、国語や算数でも同じような結果になるそうです。
僕たちは、どうしても何かのスキルを取得したりアプローチをする際に、
対象を絞って効率的に・・とやりがちですが、
一見面倒臭い、遠回りなアプローチの方が脳の学習性質に則しているそうです。
何かを調べるとき、提案する時、
一歩引いてその周辺・背景についても思索して見ることが効果的なのかもしれません。
・・・効率的ではないって?
千代の富士はこう言っています。
”いま強くなる稽古と、3年先に強くなるための稽古を両方しなくてはいけません”
追記)
一見非効率な方が、脳の学習性質としては効果的というものが他にもあります。
そのひとつが、「書いて覚える・考える」です。
詳細は、下記もご確認下さい(タイトルか画像をクリック)