同じキャンバスに向かうことから
小学生の息子が、図工で絵を描くのがあまり楽しくないそうです。
どうやら小中学生にとっての図工・美術は、
「最初は好きだが、成長のどこかで苦手意識が生まれやすい科目」
だと言われているようです。
ある調査によると、
小学校中学年以降が「嫌い・苦手」が急に増える分岐点だそうです。
理由としては、写実性が求められ手順が複雑になること、
そして内発的動機から外発的評価へと軸が移っていくことが挙げられています。
確かに、イメージはあっても「どう表現すれば・・・?」と悩んでしまう経験は、
多くの人にもあるはずです。
こうした状態を“描き方迷子”と呼ぶこともあるそうです。
表現に迷うという状況は、ビジネスシーンにおいてもよく起きるものです。
日々の仕事に置き換えてみてください。
初めは楽しめていた仕事が、気づけば少し迷子気味に・・・
そんな状況・経験はありませんでしょうか?
迷子になった時こそ、誰かの支援が必要ですが、
手取り足取り、具体的に教えることだけが正解ではありません。
書籍『3分間コーチ』(著:伊藤 博)では、
コーチングを説明する例えとして、こんなイメージが示されています。
以下、同書より引用抜粋、一部加筆再構成
コーチングのイメージは、
クライアントとコーチが同じキャンバスに向かって座っているというものです。
コーチングとは、向き合って対話するというより、
クライアントがキャンバスに未来や今の課題などを絵にして描いてもらい、
それについてコーチが問いかけたり、
時にはクライアントも問いかけるといったイメージです。
クライアントの正面にコーチが立って、何かを教えたりアドバイスをしたり、
何の絵を描くかを指示したりするわけではありません。
描いている絵を評価するのも仕事ではありません。
もちろんずっとキャンバスに向かっているだけではなく、
二人が向き合って対話することもあります。
斜めに座って対話することもあります。
オンラインの場合はお互いに正面を向いていますが、イメージを膨らませて、
キャンバスに向かって対話してみると、自由な「問い」が生まれやすくなります。
・・・なるほど。
この「同じキャンバスに向かう」という感覚が、とても重要なのだと感じます。
迷子を導こうと思うなら、
まず「その人がどこへ行きたいのか」を知らなければなりません。
そして、そもそも「どこへ行けばいいのか」すら分からない迷子もいるでしょう。
そのような相手を支援できる存在でありたいものです。
では、この構図を「顧客と営業」の関係に重ねてみます。
以前、営業という仕事においては、
顧客と向かい合う以上に、同じ方向を向くことが重要だとお伝えしました。
詳しくは下記をご確認ください(タイトルか画像をクリック)
では、その「同じ方向」の先には何があるのか?
それが、目的や課題、ビジョンです。
そこに“描きかけのキャンバス”をイメージしてみてください。
営業の仕事とは、
そのキャンバスに描かれる絵が完成していくプロセスを支援することです。
注意したいのは、
営業が顧客の代わりに絵を描くことではないという点です。
また、偉そうに評論したり、正解を押し付けたりすることも、
多くの場合は求められていません。
どうすれば、その絵の完成にお役に立てるのか。
時には顧客と一緒に悩み、迷うことも必要になるかもしれません。
ただし、「案内者が道に迷う」にならないように・・・。
日々の研鑽は欠かせませんね。
追記)
営業とは、ある種のコーチである、と思います。
詳しくは、下記をご確認ください(タイトルか画像をクリック)





