成長する営業パーソンのマインドセット
今日の営業パーソンにおいて、プロ意識(プロフェッショナリズム)を持つ、ということが
非常に重要なマインドセットになります。
この基本的な心構えがブレてしまっていると、
営業スキルを身につけようとしても、どうしても小手先のテクニックに終始してしまったり、
やる気の浮き沈みによるモチベーション頼りの営業スタイルから脱却できません。
なるべく精神論・根性論にならないように(勿論、それも大事だと思っていますが・・・)、
お伝えしていきます。
以下、具体的に見ていきましょう。
Index
・営業目線:74% ✖️ 顧客目線:16% のギャップ
・マインドセット3つのポイント
・営業は、チャレンジャーたれ
・「教えてあげる」ことが、大切な仕事
・プロ意識のアンテナを如何に立てるか
・まとめ
・最後に
▼営業目線:74% ✖️ 顧客目線:16% のギャップ
営業はお客様のお役に立てているか?
大声でYES!と叫びたい問いですが、ちょっと残念なデータがあります。
まず、営業担当者に向けてこのような質問をしました。
「自分(営業担当者)は顧客の購買プロセスに直接的な影響力がありますか? 」
約74%が「自分は顧客の購買プロセスに影響力がある」と認識している、という結果です。
その位だろうな、となんとなくですが、僕も思いました。
次に、お客様(購入者)に向けて、このような質問をしました。
「購買の意思決定を行う際に、何を参考にして適切な商品・サービスを決めますか? 」
なんと、営業担当が大きく関与している、と認識されているのは16%だけ・・という結果です。
これは、悲しすぎませんでしょうか。
残念ながら、このデータをみる限り、営業はお客様のお役に立てていないのです。
少なくとも、営業の自己評価(理想)とお客様の評価(現実)には、大きな開きがあります。
※このデータは、角川 淳 著(2019)『営業デジタル改革』(日経文庫)からの出典です(グラフは加筆修正)
アメリカのアンケートデータですが、大きなトレンドは日本も同じ、と想定してお考え下さい。
▼マインドセット3つのポイント
モノを販売(購入)する、という機能自体は如何様にも代替されます(されていきます)。
ネットでいいし、自動でいいし、AIでいいのです。その方が便利であれば。
その中で、営業パーソンが介在することによって発生する「価値」を高めることが、
営業パーソンの存在意義であり、お客様のお役に立つということだと言えると思います。
その為に参考にして頂きたいポイントが、次の3つです。
営業とは、チャレンジャーたれ
『チャレンジャー・セールス・モデル (海と月社:2015)』という、書籍をご存知ですか?
営業のあり方について、色々とヒントがありますので、ポイントを紹介してみます。
セールスマン(パーソン)は、下記の5タイプに分類できるらしいです。
●ハードワーカー(勤勉タイプ)
●チャレンジャー(論客タイプ)
●リレーションシップ・ビルダー(関係構築タイプ)
●ローンウルフ(一匹狼タイプ)
●リアクティブ・プロブレムソルバー(受動的な問題解決タイプ)
この中で、圧倒的に成果を上げるのは、“チャレンジャー(論客タイプ)“である、と。
チャレンジャーの特徴は、インサイト(知見)の提供。
つまり、顧客が気づいていない問題について教え、関心を引きつけ、
顧客の方針(現在の視点やアプローチ)を転換させることができる様な、営業スタイルが
求められている、ということです。
Aが欲しい、と言われて、Aを提供するだけではダメなのです。
お客様には、(しっかりとした理由を持って)Bがいいですよ、と提案できることに、
営業の付加価値があるのです。
書籍の中には
「“彼らは、顧客の世界を本人と同じくらい理解しているから頼られるのではない。
顧客の世界を本人以上に理解し、その内容を本人に教えられるから頼られるのだ。”」
とあります。
お客様のことをお客様以上に理解する??
マジで言ってる??
なんて大変なんだ・・・無理だろう・・・そこまで営業に言われても・・・
となりますか?
これは、範囲が限定されているなら、当然「できなければいけない」と思って下さい。
お客様のビジネス全てにおいて、お客様以上に理解する、というのは流石に難しいと思いますが、
皆さんの提供している、商品・製品・サービスに限っての範囲であればどうですか?
皆さんの方が、プロなわけです。
お客様のご要望にそのまま応えるのではなく、プロとしての最適解を提供すべく、
チャンレンジする姿勢が必要なのです。
「教えてあげる」ことが、大切な仕事
スティーブ・ジョブズは、こう言いました。
「カスタマー(消費者)は賢い。
しかし、何が欲しいかは、わかっていない。」
初期の頃のiPhoneなんて正にそうだと思いますが、Apple社の製品は、綿密なマーケティングで
市場の声を集約して作られているわけではないでしょう。
売り手側の発想で、これいいでしょ?クールでしょ?と「提案」してくれているのです。
自動車会社フォード・モーターの創設者、ヘンリー・フォードは、こう言いました。
「もし私が顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、
彼らはもっと速い馬が欲しいと答えていただろう」
移動手段が馬車の時代に、車を売ろうとしたら「提案」するしかないのです。
「提案」は「交渉」ではありません。
妥協点や価格の落とし所を調整することではなく、ある意味お客様に「教えてあげる」という
イメージで「提案」することが必要なのです。
Amazonなどを利用しているとよく思いますが、
「他の人はこんなモノを見てますよ(買ってますよ)」とオススメが表示されます。
まぁこれも提案ではあるのですが、(現時点では)何かを買おうとしたら
「やめときなさい、こっちの方がいいですよ」とは、流石に言ってくれないのです。
時には、お客様のオファーを断る・否定する勇気も、営業パーソンは身につけなければいけません。
プロ意識のアンテナを如何に立てるか
お客様の要望にチャレンジし、プロとして「教えてあげる=提案」ことが営業の仕事です。
プロになる為には、非常に重要なアクションがあります・・・
それは、自分はプロであると、決める(決意する)ことです。
「カラーバス効果」という心理学用語があります。これは、
人間はなんらかのモノやコトをきちんと意識すると、それに関連する情報に敏感になる
という話です。
例えば、朝にTVの占いで「今日のラッキカラーは赤!」と言われると、
いつもと同じ道でも、郵便ポストの存在に気づいたり、赤い服を着た人を目で追ってしまう・・
みたいな感じです。
対象のモノゴトにアンテナが立ち、敏感になります。
自分はその道のプロである!と決め、プロ意識のアンテナが立てばどうなるでしょうか?
「どうすれば、プロとしてもっとお客様に価値提供できるか」
を日々考えている営業パーソン、営業組織は成長速度も違ってくるのではないでしょうか。
プロ意識のアンテナを立てましょう。
アメリカに、
If all you have is a hammer , everything looks like a nail.
(ハンマーしかもっていないと、全てが釘に見える)
という諺があります。
通常は、手段が目的化しないように、バイアス(ハンマー)を外しましょう、という意味で
使われるのですが、こう考えてください。
プロフェッショナリズム(プロ意識)というハンマーを持つ。
そうすれば、世の中のあらゆるものが、プロとして解決すべき事象(釘)に見えるのではないでしょうか。
プロフェッショナリズム(プロ意識)というハンマーをぶん回していきましょう。
▼まとめ
残念ながら、営業が思っている程、お客様に価値が提供できていない、という事実があります。
お客様の要望をそのまま受け取り対応するのではなく、
インサイト(知見)を提供し、教えてあげ、時には否定する勇気を持って、最適解を提供する
ことが求められます。それがプロフェッショナル。
その為には、プロ意識。
まずはプロであると決め、日々の仕事に取り組むというマインドセットが必須という話でした。
健闘を祈ります。
▼最後に
プロであると決めろ〜成長する営業パーソンのマインドセット〜に関する、
同様の内容をYoutubeにもアップしています。
宜しければ、併せてご参考ください。
<オンラインセミナー(無料)開催中!お気軽にご参加下さい>
→ 詳しい日程や詳細は、こちらから(若しくは画像をクリック)