ウサギとカメから考える戦略的思考と努力の方向性
ウサギとカメの話はご存知でしょうか。
元はイソップ寓話で、
日本では明治時代に一般的に知られるようになったそうです。
あらすじはこんな感じです。
ある時、ウサギに歩みの鈍さをバカにされたカメは、
山の麓までかけっこの勝負を挑んだ。
かけっこを始めると、予想通りウサギはどんどん先へ行き、
とうとうカメが見えなくなってしまった。
ウサギは少しカメを待とうと、余裕綽々で居眠りを始めた。
その間にカメは着実に進み、
ウサギが目を覚ました時に見たものは、
山の麓のゴールデ大喜びをするカメの姿だった。
教訓としては、
1)油断大敵。過信していたら足元をすくわれますよ(ウサギ目線)
2)着実にコツコツ取り組むことで大きな成果になりますよ(カメ目線)
という感じでしょうか。
その点には全く異論はないのですが、
大人になってこの話を思い出した時に、引っかかる部分がありました。
かけっこの勝負を挑んだ(=かけっこを選んだ)のは、カメなのです。
なぜでしょうか。
本当に、勝てる=ウサギに自分を認めさせることができる、と思ったのでしょうか?
だとしたら、カメには戦略的思考が欠けています。
コツコツ努力できる素晴らしい素養がありながらも、
営業パーソンや特にマネジャーになったら、残念ながら梲が上がらないでしょう。
この時カメがとるべき戦略は、
相手が得意なことで勝負を挑むのではなく、
自分が少しでも有利になるように勝負(レース)を設計することです。
因みに、カメがウサギの性格と特性を熟知していて、
どうせ油断して寝るだろうから・・・
薄明薄暮性(=夜行性に近い)だから昼のレースを・・・
という策略をしていたら、、、
すみません。
僕レベルがどうこう言っていい対象ではありませんでした。
かなりの戦略家です。
失礼致しました。
そこまで考えていない、という前提で進めます。
カメが取るべき戦略は、
ウサギの特性が活かしにくく、
カメの特性が活きる様なレースを設計することです。
野生のウサギは、MAX60kmで走るらしいので、
平坦な短距離走では絶対に勝てません。
であれば、水中を経由するコースや、
水中を通ることでショートカットできるようなコースはどうでしょうか。
ウサギは「寂しいと死んでしまう」というは都市伝説らしいですが、
ストレス耐性が弱く、それが原因で死んでしまうことはあるそうです。
であれば、あの肉球には厳しいくらいの砂利道や凸凹のコース、
鼻と耳がいいので、騒音や匂いが邪魔してくるような環境は?
というような感じで、
相手よりも自分の方が有利に立てるフィールドで勝負することです。
コツコツ努力することは大切ですが、
その努力が活きる状況・環境を創ることも同じように大切です。
林 修(はやし おさむ)先生の言葉だったと思いますが、
「勝てる場所で誰よりも努力する」
という視点が戦略的には重要なのです。
そんなことを、ウサギとカメから、改めて考えてみました。
更にビジネスの場合は、対戦相手(競合他社)だけを見ていてはダメです。
ここに顧客の視点を持って、ポジショニングを設計することが重要です。
詳しくは、ブログ「顧客に選ばれる為の営業差別化戦略」でも
記載していますので、参考にして下さい。
https://emp-consul.com/archives/479
補足)
因みに、カメに負けたウサギは恥晒しだと仲間から追われてしまうのですが、
その仲間のウサギ達を狙う狼を知恵を使って撃退し、名誉挽回する、という
よくわからないアナザーストーリーがあるそうです。。。。。
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