道具による能力拡張の重要性−○○にとっての自転車−
右見て、左見て、もう一度右見て。。。
子供の頃に横断歩道の渡り方で教わった方も多いと思います。
さて、問題です。
右を見ながら、同時に左を見るにはどうすればいいでしょうか?
ビジネスにおける解決すべき問題の例えだと思って聞いて下さい。
方法は、大別すると3つです。
1つ目は「1歩引いて見る」です。
左右を視界に捉えられる位置に自分を置くことで、両方向を同時に見られます。
これは、考え方・思考モデルを変える、というイメージです。
自分自身の能力自体は変わっていなくても、モノの見方、捉え方を変化させることで、
意外と案外簡単に解決策が見つかる・・・みたいなことはあります。
この考え方・思考モデルについては、改めて別の機会で詳しくご説明します。
2つ目は「誰かに協力してもらう」です。
自分が見ている方向とは逆を見てもらいましょう。
自分1人で対応している課題でも、協力・共同することで改善されるケースはありますので、
協力してもらう(協力する)、という選択肢は常に持っておくべきです。
3つ目は「道具(ツール)を使う」です。
例えば鏡を使ってみましょう。
自分が向いた方向に手鏡をおけば、逆方向も同時に見ることができます。
この「道具(ツール)を使う」というアプローチは、自分の力を拡張させるということです。
スティーブ・ジョブズがあるインタビューで、
「道具」に関して非常に興味深い話をしているので、紹介します。
出典は『スティーブ・ジョブズ1995~失われたインタビュー~』というもので、
1995年当時のインタビュー映像がジョブズの死後に見つかり、リリースされたものらしいです。
子供の頃、雑誌である記事を読んだんだ。
様々な動物の移動効率を計測したもので、
クマやチンパンジー、鳥や魚などが載っていた。
1キロあたりの消費カロリーをヒトも含めて比較していて、
1位を獲得したのはコンドルだった。
万物の霊長のはずのヒトは、下から3分の1あたり・・・。
だが誰が閃いたのか自転車に乗ったヒトも測られた。
コンドルなんて蹴散らしていたよ!
この記事に私は強い衝撃を受けた。
人間は道具を作ることによって、
生まれ持った能力を劇的に増幅できるんだ。
“パソコンは脳の自転車“と広告を出したことすらある。
これまでの歴史を通し、人類が発明したものの中で、
コンピューターが1番かそれに近い重要性を持つ。
私はそう確信している。
我々が生み出した史上最高の道具だよ。
という、内容です。
通常、道具(ツール)とは、何か目的がありその手段として利用されます。
しかし、優れた道具(ツール)は、人の能力を拡張させたことにより、
次の新たな目的を誘発します。
「○○ができるようになった自分」は、見える景色が違うということです。
道具(ツール)を利用する目的は適切に達成しつつ、
能力拡張により、思考・行動の進化を促す。
これが、道具(ツール)のあるべき姿ではないかと思っています。
僕の仕事では、SFA/CRMといったSales techや、
セールス領域のAIなどが道具(ツール)にあたります。
営業組織・パーソンの能力拡張を支援し、
“SFA /CRMは営業組織の自転車“として頂ければと思っています。
皆さんの商品・製品・サービスは、何(誰)にとっての自転車でしょうか?
追記)
子供の頃、自転車に乗って遊びに行けるようになった時の、
あの無敵感はなんでしょうか。。。
そして、調子に乗って遠くまで行った時にパンクした時の無力感・・・