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営業から顧客に出す宿題-イケア効果を活かす-

 

「俺の作るチャーハンは旨い」

 

 

ひとり暮らしをし始めの男子学生が言いがちではないでしょうか。

 

 

僕も学生時代、この望まない話題に付き合ったことが何度もあります。

 

 

恐らくですが、それ程旨くもないでしょう。

 

 

本人が旨いと思う理由は大きく2つ。

 

 

1つは、自分好みの味付けをするので、そりゃ旨く感じるだろうということ。

 

 

そしてもう1つが、“イケア効果”と呼ばれる認知バイアスです。

 

 

由来は、現代的なデザインの組立て家具大手の、あのイケアです。

 

 


イケア効果(IKEA effect) ※以下Wikipediaより(一部加筆修正)


 

消費者は部分的にでも自分で作った物を不当に高く評価するという、認知バイアス。

 

単に“労働した”というだけで、

 

労働の成果物に対する愛着を増加させるのに十分である可能性がある。

 

普通の机を組み立てることさえ、困難かつ孤独な仕事であり、

 

(しばしば不格好に組み立てられた)創造物を過大評価することにつながる可能性がある。

 

ある調査によると、被験者は組み立て済みの同じような家具よりも、

 

自分で組み立てた家具の方に63%多くお金を支払った。

 


 

 

自分で頑張って作った料理は、過大評価してしまうのです。

 

 

作りなれたモノならまだしもですが、

 

慣れない料理をやってみたら結構できた!という体験・記憶が、

 

より一層そうさせていると思われます。

 

 

関連して、興味深い事例があるので紹介します。

 

以下、ローリー・サザーランド著『欲望の錬金術』より抜粋(一部加筆修正)

 


 

 

1950年代、食品会社のゼネラル・ミルズは、

 

「ベティ・クロッカー」というブランド名でケーキミックスの生産を始めた。

 

このケーキミックスには、牛乳や卵を含めたあらゆる材料が入っていた。

 

消費者がやるべきなのは、水を加えて混ぜ合わせ、

 

フライパンをオープンに入れることだけだった。

 

この商品が売れないはずはないだろう?

 

しかし、多くの長所があったにもかかわらず、この奇跡の商品はあまり売れなかった。

 

原因は、1つの罪悪感だった。

 

このケーキミックスは従来の商品に比べてあまりにも作るのが簡単だったので、

 

人々はだまされているような気になった。

 

できたケーキの味がすばらしくて、賞賛されるという事実は助けにならなかった。

 

つまり、以前よりもよい評価をされると、

 

「作った人」は決まり悪いおもいをしたということだったのだ。

 

このような望ましくない結果に対して、同社はひとつの対策を講じた。

 

パッケージに記載された調理方法を、作るのがもう少し面倒なものに書き直したのだ。

 

消費者は水だけでなく、中身に「卵1個」を付け加えることを要求された。

 

“卵1個を加えるだけ”というスローガンで商品を売り直すと、売上は急上昇した。

 

調理にかける時間は前と同じように少ないが、ささやかな努力をしたことで、

 

ケーキを作るために自分が貢献したという感覚を与えたのだ。

 


 

 

楽になる・便利になるということは、利用者のプロセスを省略することです。

 

 

それが必ずしも価値を向上させることにならない、という点は非常に考えさせられます。

 

 

逆に言えば、消費者(購入者)の努力を求めることで、価値を向上させることができるかもしれません。

 

 

皆さんの商品・製品・サービスでも応用できませんか

 

 

 

この切口で、営業活動でトライしてみたいことが“顧客に宿題を出す”です。

 

 

 

 

営業における“宿題”とは、一般的に顧客から営業に出されるモノです。

 

 

「この件は、次回迄の宿題にさせて下さい」

 

という形で、提案や顧客関係性強化に活用している方(組織)も多いでしょう。

 

 

“如何に宿題をもらうか(創り出すか)”は、営業における重要なスキルです。

 

 

この宿題を、営業から顧客に出す、と考えてみて下さい。

 

 

例えば、

 

・●●について、資料に纏めていますので次回お打合せ迄に確認しておいて下さい

 

・▲▲について、社内の関係各位のご意見を集めておいて下さい

 

・■■について詳しくお伺いしたいので、お手数ですが事前に想定をお願いします

 

といった感じでしょうか。

 

 

僕自身、以前はヒアリングシート的なモノを事前にご提示するのは、好きではありませんでした。

 

 

先方の手を煩わせるのもどうかなぁ・・・、という想いと、

 

当日その場で詳細伺うので問題はない、という感覚でした。

 

 

しかし、購入する立場になって良く分かったのですが、

 

真剣に検討していればいるほど、営業からの質問にはちゃんと答えたいのです。

 

 

何故ならそこで曖昧な回答をすることで、提案の質が下がるのは困るからです。

 

 

普段から常に考えていることばかりヒアリングされるわけではないので、

 

事前に大枠だけでも教えておいてもらえると、答える側も非常に助かるのです。

 

 

念のため、お分かりだと思いますが、

 

少し調べればわかるであろう情報をヒアリングシートで回答してもらったり、

 

営業の工数を下げる目的で相手にメリットのない作業負担の依頼はやはりNGです。

 

 

顧客に宿題を出す営業は、厚かましくて図々しいでしょうか。

 

 

確かにそうかもしれません。

 

 

しかし、非常に効果的です。

 

 

“顧客の成果に貢献する”という営業としての責任を果たす上では、

 

宿題の提示は臆せずに取組むべきです。

 

 

そして、イケア効果という朗報があります。

 

 

前向きな努力という工数を割いて頂いた顧客は、その提案・サービスに対する評価も高くなるはずです。

 

 

是非トライされることを、お薦めします。

 

 

 

追記)

 

“ねるねるねるね”というお菓子をご存じですか?

 

 

僕が子供の頃からあるのですが、実験の様な手順で「作る」お菓子です。

 

 

これも、イケア効果と言っていいと思いますが、

 

ここまで来るとプロセス自体(=お菓子を作る行為)が価値なので、

 

「ねるねるねるね効果」と命名した方がいいかもしれません。

 

 

因みに、どう考えても体によくなさそうな色をしていますが、

 

保存料・合成着色料ゼロらしいです。

 

 

以前は、サイバー菓子(ケミカル菓子)などと呼ばれていたらしいのですが、

 

現在は、知育菓子というジャンルで展開しているそうです。

 

 

これも秀逸なマーケティングですね・・・・。

 

 

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