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ヤマメとサクラマスと河田雅史(山王工業)

ヤマメとサクラマスという魚がいます。

 

※大きい方がサクラマス、小さい方がヤマメ

 

実はサケ目サケ科に属する、全く同じ魚らしいです。

 

 

両者の違いは、その成長過程です。

 

 

稚魚の時、川で餌をしっかり食べることができた個体は、

 

そのまま川に残り“ヤマメ”となります(陸封型)。

 

 

一方で、餌を食べられなかった(競争に敗れた)個体は、

 

餌を求めて海へ下り“サクラマス”となります(降海型)。

 

 

因みに、ヤマメは体長20cm程度が平均ですが、

 

サクラマスは40~50cmになるそうです。

 

 

稚魚の時に競争に敗れ海に下った個体が、

 

やがて大きくなって川に戻ってくるという話です。

 

 

昔話にでもありそうな感じですが、

 

ヤマメは現状に満足していたわけでもなければ、

 

サクラマスが反骨心をモチベーションに成長したわけでもありません。

 

 

 

環境がそうさせたのです。

 

 

 

川に残ったヤマメになる個体は、水生昆虫等を食べます。

 

 

海に下ったサクラマスになる個体は、小魚やプランクトンを食べます。

 

 

その結果が、体の大きさに繋がっているだけです。

 

 

 

つまり、成長は環境に依存します(=成長は環境に従う)

 

 

ビジネス(営業)パーソンが成長する為にも、

 

自分が身を置く環境のコントロールが重要であると思っています。

 

詳しくは、下記を参照してください。(画像をクリック)

 

▼営業パーソンが成長できる環境の創り方

 

 

 

そして、特にこの“体の大きさ”に見られるような成長の結果は、

 

実は生物的には練られた戦略だというのです。

 

 

稲垣栄洋著:書籍『生物に学ぶガラパゴス・イノベーション』に、

 

“島の法則”が説明されています。下記、書籍より抜粋(一部加筆修正)です。

 

 


▼島の法則(アイランド・ルール)


 

孤立化した小さな島では、シカやイノシシの様な大きい動物は、

 

大陸にすむ種類よりも体が小さくなり、矮小化する。

 

これに対して、ネズミやウサギのような小さな生物は、

 

島に住む種類の方が大陸にすむ種類よりも体のサイズが大きくなり巨大化するという。

 

この現象は「島嶼化(とうしょか)」と呼ばれ、

 

あるいは発見者の名を取って、フォスターの法則と呼ばれている。

 

どうしてこのようなことが起こるのだろうか。

 

島嶼化の前提となるのは、天敵がいないということである。

 

孤立化した島という環境は、大陸に比べると侵入している天敵が少ない。

 

大陸の動物は、体が大きい方が捕食者に襲われにくくなるから、

 

天敵から身を守るために、体を大きくしている。

 

ところが、島では捕食者から身を守る必要がないために、

 

体のサイズが小さくなるのである。

 

つまり、身を守るために、

 

本来のサイズよりも無理をして大きな体にしていたということになる。

 

体を大きくすることが、大型の動物の戦略だったのだ。

 

一方、体を小さくすることは、同じ種類同士の種内競争を緩和する上でも役に立つ。

 

生物の個体どうしの競争は、エサやすみかとなる空間をめぐる争いである。

 

一頭一頭のサイズが大きいとエサも足りなくなるし、空間もせまくなる。

 

こうして、大型の動物は無理のないサイズに落ち着き、

 

結果として大陸のものよりも小さくなるのである。

 


 

 

 

現在、その環境で生きている生物にとって、

 

その体の大きさは戦略的に環境に適応した結果だ、ということでしょうか。

 

 

ヤマメは川で生き続けるのに適した大きさで、

 

サクラマスは海で成長し川に戻ってくることに適した大きさなのです。

 

 

自分が置かれた環境で生きる(生き抜く)ことが、

 

進化の過程で遺伝子に刻まれた生存戦略とリンクするようにできていると

 

考えると、非常に面白いなぁと思います。

 

 

 

では、僕達はどうでしょうか。

 

 

 

幸か不幸か、自分の頭で考え、環境と戦略を選択することができます。

 

 

自分のあるべき姿を目指し、

 

戦略的に成長できる環境・機会を選び取っていこう、という話なのですが、

 

当然意図していないことや望まない状況、思い通りにいかないことは起こります。

 

残念ながら頻繁に。

 

 

 

そんな時、ロールモデルにしたいのが山王工業の河田雅史です。

 

漫画スラムダンクを知らない方は、こいつはいったい何を言っているのだろう、

となると思います。すみませんが、少しお付合い下さい。

 

 

僕はこの河田が、沢北以上に最強キャラだと思っているのですが、

 

注目はその成長過程です。

 

 

河田はセンターというポジションで、

 

基本的には体の大きな選手が務めるポジションなのですが、

 

そのポジションでは異色のスピードやテクニックを持っていることが特徴です。

 

※以下、出典:『スラムダンク』27巻 ♯239 大っきくてウマい より

 

 

つまり、自身の急激な体の成長に合わせて

 

ポジションがコンバートされていき(=環境の変化)、

 

結果的に最強キャラに成ります。

 

 

そして、その過程で大事なことが、

 

 

 

意図しない環境変化の中でも

 

そこで頑張れるか(頑張れたか)どうかが分かれ道なのかもしれません。

 

 

 

追記)

 

川に戻ってきたサクラマスは産卵後、オスメス関係なく死んでしまいますが、

 

川に残留していたヤマメは産卵しても生き続けるそうです。

 

 

理由はよくわかりませんが、考察のしがいがありそうです。

 

これも進化の過程で最適化された戦略だと考えると、興味深いですね。

 

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