営業の向き不向きと向く方向-3C+2C-
「どのような人が営業職に向いていますか?」
所謂、営業職の適性・向き不向きについて、ご質問頂くことがあります。
どう思われますか?
ビシっとお答えできれば気持ちいいのですが、
正直なところ、これと言ってないのでは?と思っています。
スキルや能力、マインドセットという意味では、
勿論持っておいた方が良い(持っておくべき)モノはありますが、
それはどの仕事においても、ある程度共通する部分が大きいです。
また、後天的に取得も可能です。
寧ろ、コントロールできない相手(顧客)があっての活動で、
選択の自由度が高いという側面を考えると、
自分の特徴や性格を如何様にも“活かせる”仕事ではないかと思います。
自分の特徴や性格を“適性化できる”という感じでしょうか。
ですので、向き不向きは気にしなくて良いです。(※)
※ですが、誰もができる仕事だとは思っていません。ややこしくてすみませんが・・・
大事なのは、向き不向きではなく、“向いている方向”です。
・・・顧客(お客様)の方を向くということか?と思ったあなた。
鋭いです。
ですが、お伝えしたいことは少し違います。
顧客の方を向く(向かい合う)のではなく、
顧客と同じ方を向くことが重要です。
良い提案・対応で顧客のお役に立つには、顧客をよく知らなければなりません。
よく知る、とはどういうことか?
3C+2Cのフレームワークを理解することだと思って下さい。
一般的に3C分析と呼ばれるものは、
Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の頭文字を取ったもので
戦略策定や市場分析のためのフレームワークの一種です。
ここに、顧客の視点を追加してみてください。
=顧客のポジションから見てみてください
どうなるでしょうか?
自社から見た顧客も、同じようにビジネス活動をしているので、
顧客が存在し、競合と凌ぎを削っていることがイメージできると思います。
これが、+2Cです。
※Customers’Customer(顧客の顧客)、Customer’Competitor(顧客の競合)
図解すると、下記のような形です。
▼3C+2Cのフレームワーク
顧客の目的は、言ってしまえば
“顧客の競合よりも顧客の顧客に選ばれるようになること”です。
営業としてお役に立つ為には、
当然の様にその関係性を知っておかなければなりません。
皆さんの顧客をイメージしてください。
顧客の顧客は?
顧客の競合は?
即答できないようであれば、リサーチが必要です。
是非、3C+2Cのフレームワークで情報の整理を進めておきましょう。
付加価値の高い営業を実施する為には、
顧客と同じ方向を向くことで、
あるべき姿と課題を共有することが求められています。
まずは顧客のビジネス自体に、より関心を持ちましょう。
それが最初の一歩目です。
どうやったら顧客に好かれるのか?という切り口のテクニックや
心理学は多々あります。
勿論重要ですが、
相手を好きになる(=関心を持つ)ことはそれ以上に重要です。
何故なら、誰でも好意(関心)を示されて、悪い気はしないからです。
好かれようと思うのであれば、まずは先に好きになることです。
そう考えると、“惚れっぽい人”は営業に向いているかもしれません。
追記)
関心・興味を持つスキルは、営業に関わらず重要だと思っています。
そして関心を持つには、一定の知識が必要になります。
「なんで勉強しないといけないの?」という質問へのカウンターとして、
僕が推奨しているアプローチでもあるので、併せてご参考下さい。