失敗に価値があるかどうかを決めるモノ
「次、本気出すわ(まだ本気出してない)」
小学生男子の頻出ワード上位だと思われます。
当然ながら格好悪いので、なるべく使用は控えたいのですが、
“成長”という観点からも気を付けた方が良さそうです。
漫画『宇宙兄弟』11巻に出てくる、あるエピソードです。
宇宙飛行士を目指す人達の話なのですが、訓練の一環で、
CanSat(カンサット)と言われる模擬人工衛星の制作に取り掛かります。
制作の予算内で材料費を試算したメンバーに、主人公が言います。
「これじゃ、ダメだ。1機作るのが予算の限界だ。失敗できない」
やけに消極的だな、と言うメンバーに、主人公は更にこう続けます。
出典 『宇宙兄弟』11巻《♯104》酒の約束 より
「モノ作りには、失敗することにかける金と労力が必要なんだよ」
ただし、その失敗が価値を持てるかどうかには、
ひとつの大きな条件があるというのです。
それは、“本気だったかどうか”です。
出典『宇宙兄弟』11巻《♯107》本気の失敗 より
「本気でやった場合に限るよ。本気の失敗には価値がある」
これは、悩んで出した答えであれば、
それが間違っていてもその後の学びが強化されるという「生成効果」と
その答えに自信を持っていれば持っている程、
正しい答えを得たときに強く記憶化される「過剰修正効果」も関係しています。
※詳しくはこちらもご参考下さい
本気でやらなければ、失敗も活かせないのです。
因みに、「本気」の対義語をご存じでしょうか?
それは、「冗談」です。
「冗談」で取組んだ失敗から成長に繋げようとすることは、
虫が良すぎるのかもしれません。
気を付けたいのが、大人になっても近しいことをやってしまっています。
流石に、「いや、今のプレゼン、本気出してないだけなんで」と
言うやつはなかなかいないと思いますが、
「今日のプレゼン、ちょっと準備する時間なかったので・・・」と
予防線を張る(ハードルを下げる)ような“事前言い訳”は目にします。
別に準備もしていないのに、
準備バッチリです!とムダにハードルを上げる必要はありませんが、
事前言い訳は止めた方がいいです。
何故なら、それはハードルではなく、評価を下げるからです。
「十分な準備をしていない」と伝えることは、
「この場(相手方)は、十分な準備をするに値しない」と宣言しているようなモノです。
優先順位が低いです、とわざわざ言わなくていいのです。
謙遜のつもりもあるかもしれませんが、気を付けなければなりません。
言い訳は、事前も事後も、どちらもダサいのです。
ベストは、事前言い訳をしなくていいように、
自信を持って対応できるよう、準備から本気で取組むことです。
それ(事前準備)が難しい場合でも、
事前言い訳をしたくなる気持ちを抑えて、その場に集中して本気で取組むことです。
失敗してしまったとしても、それが本気であったかどうかが大事です。
出典『宇宙兄弟』11巻《♯107》本気の失敗 より
追記)
因みに、「本気」の反対語は「嘘んき」という説があります。
「実際にはすることができないことを仮に行う=本気ではない」という意味らしいです。
まぁ、使うことないでしょうね。本気(マジ)で。。。
失敗の具体的な活かし方は、こちらをご参考下さい。