開示と提供は先手が良い−返報性の原理−
ある、ユダヤの格言です。
人には口が一つなのに、耳が二つあるのは何故か。
それは、自分が話す倍だけ、
他人の話を聞かなければならないからだ。
流石、ユダヤの知恵です。
コミュニケーションを円滑に進める上で、
自分の事ばかりを喋らずに、相手の話を聞くこと。
また、相手に話してもらうことの重要性については、全く異論ありません。
では、
「聞きますよー、喋って下さい。さぁどうぞ!」
とやればいいわけでも、ありません。
大切なのは相手との関係性であり、場の構築です。
では、相手の話をしっかり聞く為の関係構築には何が必要か?
それは、まずこちらから”自己開示”をすることです。
自己開示とは、会話等を通じて、自分に関する情報を相手に伝えることです。
法人の場合は、自社(組織)の情報と置き換えてもらってよいです。
こちらから情報を開示することで、
「自分を信用してくれている」ということが伝わり、
相手も情報を開示し易くなります。
また、自己開示には、”返報性の原理”が働くと言われています。
返報性の原理とは、相手が何かをしてくれた際に、
お返しをしたい(しなければならない)と思う心理現象です。
つまり、相手が自己開示をしてくれた時には、
自分もそれ相応の情報(時には秘密)を開示しなければならない、
という気持ちになるということです。
これを、”自己開示の返報性”といいます。
相手に情報を開示してもらいたいのであれば、自分の情報開示が先なのです。
営業における情報戦も同様です。
情報収集したければ、情報提供が先なのです。
返報性の原理が働くような、価値ある情報を提供すること。
先行した情報の開示が、必要不可欠なのです。
縦軸に顧客の把握度合い(知っているか)、
横軸に自社の訴求度合い(知って貰っているか)をとります。
▼顧客把握×価値訴求のマトリクス
理想の関係といえる右上の象限を目指すルートを、どうデザインするか?
このアプローチを色々と考えてみてはどうでしょうか。
キーワードは、相手よりも先に自己開示。
情報収集よりも先に情報提供、です。
情報の力によって顧客との理想的な関係づくりを目指す上では、
是非こちらもご参考下さい。(タイトルか画像をクリック)
提供する(開示する)情報をコンテンツとして具現化することを推奨しています。
【営業のABCとは?-営業組織こそコンテンツマーケティングを-】
追記)
返報性の原理には、過度な期待は禁物です。
お返しがある!!と期待して、
上辺の善行を積んでも上手くいかないことは、
数多の意地悪爺さん・婆さんが昔話で教訓を残してくれていますので・・・