名参謀になるための訓令と意図伺い
「参謀」と聞くと、誰を思い浮かべますか?
三国志だと、諸葛孔明・・・
戦国時代だと、黒田官兵衛・・・
近代だと、僕の知識ではなかなか例を挙げられないのですが、
戦果の裏には必ずと言っていいほど、名参謀がいたはずです。
参謀の語源は、謀(はかりごと)に参与する人、です。
知恵とアイデアを駆使して、作戦の立案と実行を補佐する参謀に、
格好良さを感じるのは僕だけではないはずです。
目的の達成に向けて、トップと共闘する「参謀」は、
顧客と共闘すると置換えると、営業のあるべき姿のひとつではないでしょうか。
お客様の参謀になりたいのです。
お客様にとっての参謀となり、活躍する為には、
ある形で令(オファー)を受ける必要があります。
それが、”訓令(くんれい)”です。
以下、書籍『参謀の教科書』伊藤俊幸著に記載の内容を基にポイントを纏めています。
自衛隊では、部下に指示をする方法として、以下の3つを明確に使い分けているそうです。
それが、「号令」「命令」「訓令」です。
号令は、起立!礼!など、行うべき行動だけをシンプルに伝える、行動指示です。
命令は、意図と行動をセットで伝える指示で、
意図がわかっている分、行動の取り方に自分で考える余地も出てきます。
訓令は、意図だけ伝えて、”やり方は任せる”という指示で、
令を受けた側は、その行動を自発的に考えざるを得ません。
まとめると、下記の様になります。
例えば、ある会議に向けて、資料の準備を依頼したいとします。
号令であれば、「この資料まとめておいて下さい」
命令であれば、「⚫︎⚫︎という会議があるので、それ用に資料をまとめておいて下さい」
訓令であれば、「⚫︎⚫︎会議に向けての準備をお願いします」
という感じでしょうか。
営業的な例でも考えてみます。
あるサービスを検討しようとしている顧客からの依頼です。
号令であれば、「見積を下さい」
命令であれば、「⚫︎⚫︎を検討しているので、価格を教えて下さい」
訓令であれば、「⚫︎⚫︎を検討していきたいのですが・・・」
という感じでしょうか?
オファーの難易度と貢献度は、比例します。
具体的な行動指示(号令・命令)の方が助かる、というケースもあるかもしれませんが、
僕たちは、貢献したいのです。
号令・命令を受けているだけでは、参謀の仕事にならないのです。
こちらで考え、行動(アクション)を提案してこその参謀です。
訓令の形でオファーをもらえるようなポジショニングを図りましょう。
訓令の形でオファーを貰う為には、下記も参考にしてください。
ここで、ひとつ大きな問題が想定されます。
相手の意図を正しく、深く、理解することができるかどうか?です。
以下、書籍『参謀の教科書』伊藤俊幸著からの引用・抜粋です(一部加筆修正)
参謀の役割は、上司を補佐することであり、
そのためには、上司の意図を正しく、深く理解することが不可欠です。
では、上司の意図を正しく理解する方法とはなんでしょうか?
訓令の形で指示が出されたときに、
上司の期待を裏切らない確実な方法はあるのでしょうか?
パッと思いつくのは読解力や観察力、想像力などです。
しかし、もっとシンプルではるかに確実な方法があります。
そう、上司の意図を直接聞けばいいのです。
航空自衛隊には、「意図伺い」「意図取り」と呼ばれる用語が日常的に使われています。
文字通り、上司の意図を確認する工程のことです。
営業においても全く一緒です。
意図を汲み取れるように推察するスキルも重要ですが、
まず実行するべきは「意図伺い」です。
聞けばいいのです。
ここの工夫を怠らずに実施していきましょう。
シンプルですが、相手の意図の把握が、名参謀になる第一歩なのかもしれません。
訓令を受けて、意図伺い(意図取り)をする。
お客様の名参謀を目指しましょう。
追記)
黒田官兵衛は、九州ではお馴染みだと思いますが、
数年前に大河ドラマでも取り上げられ、更に知名度が上がりました。
黒田官兵衛ってどんな人物だったっけ?という方は、
YouTubeで「黒田官兵衛 松本人志」で検索してみて下さい。
プロってすごいなぁ・・・となりますw