配られたカードをどう捉えるか?
スヌーピーの名言です。
![](https://emp-consul.com/wp-content/uploads/snoopy.gif)
「配られたカードで勝負するしかないのさ」
(You play with the cards you’re deal.)
人生に通じるイカした名言ですが、
ビジネスシーン、特に営業・セールスにも当てはまるかと思います。
僕達が顧客に提供する、商品・製品・サービスは、
基本的には会社で決められているモノです(=配られたカード)。
それで勝負するしかありません。
そして、その勝負で結果を出す為には、ある視点が重要です。
それは、配られたカード(売れるモノ)を、
”物理的ではなく機能的に捉える”ということです。
皆さんが提供している、商品・製品・サービスは、
物理的に定義すると何になりますでしょうか?
〇〇業、〇〇屋さん、で考えた時に、〇〇にそのまま入るコトバです。
これを、”顧客に提供している価値=機能”で捉え直してみて下さい。
この考え方は、1960年にハーバード大学のセオドア・レビット教授が発表した、
「Marketing Myopia」(マーケティング近視眼)がルーツになっています。
論文に記載されている例のひとつが、当時のアメリカの鉄道業界です。
![](https://emp-consul.com/wp-content/uploads/Double_Stack_Train-300x153.jpg)
アメリカは国土も広いので、鉄道事業は長年に渡って潤っていました。
それが、1950年代には自動車が普及したことと、
航空輸送や自動車輸送の発展に伴い、鉄道産業は急速に衰退します。
この現象を目の当たりにしたセオドア・レビット教授は、
その原因を「事業の捉え方を誤ったからである」と指摘します。
鉄道業界は、自分たちの売りモノを「鉄道」であると固執してしまっていました。
物理的な定義に寄り過ぎていたのです。
これを、例えば「輸送」や「移動」のように、
機能的(顧客価値)な定義で捉えることができていれば、
自動車や航空機等の代替サービスの出現を脅威ではなく、
新たな事業機会として活かせることができたのではないか?という指摘です。
何となくイメージできますでしょうか?
売っているモノ(物理的定義)は、顧客価値を実現する為の手段です。
機能的な定義では、皆さんは何業で、何屋さんでしょうか?
ここが見えれば、売り方、提案の仕方、アプローチ、情報提供の内容・・・
諸々が変わってくるのではないでしょうか。
配られているカード(売れるモノ)は一緒かも知れませんが、
勝負の仕方が変わるはずです。
では、機能的定義では、自分達は何業・何屋さんなのか?
そのヒントは、他ならぬ顧客が持っている可能性が高いです。
以下、『現代の経営』(ピーター・ドラッカー著)より引用・抜粋
事業は何かを決めるのは、生産者ではなく顧客である。
社名や定款ではない。
顧客が製品やサービスを購入して、自らを満足させる欲求が何であるかが事業を決める。
したがって、『我々の事業は何か』という問いに対する答えは、
事業の外部、すなわち、顧客や市場の立場から事業を見ることによってのみ得られる。
自分達が顧客に提供している”価値”は何か??
今一度、じっくり立ち止まって考えてみても良いかも知れません。
もう少し、狭い範囲での”顧客視点”も営業スキルとして重要です。
詳しくは、下記をご参考下さい(タイトルか画像をクリック)
![](https://emp-consul.com/wp-content/uploads/3693124_l-300x200.jpg)
追記)
因みに、冒頭のスヌーピーの名言ですが、
ルーシーという女の子の
「どうして犬なんかでいられるのかと思うわ・・・」
(Sometimes I wonder how you can stand being just a dog.)
という発言への返答です。
物理的には、やっぱり犬でいいみたいですね・・・