営業力とは影響力(influence)である
余談ですが、インフルエンザはイタリア語らしいです。
時は16世紀のイタリア。
周期的に発生・流行する疫病に対し、占星術師たちは、
寒気や星の動きが影響(influence)してているのではないか?と考えたそうです。
そこから、「影響=influenza(インフルエンツァ)」というイタリア語が、
流行性感冒を総称する言葉になったそうです。
語源を知ったところで何の予防にもなりませんが、気を付けましょう。
この”影響(influence)”というコトバ。
僕は、ビジネスシーンにおいても非常に重要なキーワードだと思っています。
ズバリ、営業力とは影響力です。
影響力とは、「他に働きかけ、考えや動きを変えさせるような力」です。
どんなに優秀な営業パーソンでも、顧客の代わりに意思決定することはできません。
決定することは、顧客のタスクです。
営業ができることは、課題解決に向けた選択肢とその価値を提示し、
顧客の意思決定を手助けすることです。
つまり、顧客の意思決定に影響を与えられるかどうか?です。
そういった意味で、営業力とは影響力なのです。
書籍『自分の能力が変わる カリフォルニア大学バークレー校超人気の授業』(アレックス・ブダグ著)
にて紹介されているあるエピソードが参考になりますので、紹介します。
以下、同書より引用・抜粋(一部加筆修正)
ある日、著者(私)が野心的な若者(彼)とミーティングをした際のこと・・・
彼には野心があると言う。
それは、フォーブス誌が選ぶ「世界を変える30歳未満の30人」のリストに名前が載ること。
私は尋ねた。
「その評価を得るために、君はどんなことを成し遂げたい?」
気まずい静寂が訪れた。
彼は、
「何をしたらいいかはかわらないですが、このリストには入りたいのです」
と繰り返した。
私は、それでは本末転倒だと言った。
目的と手段が入替っている、と。
順番が逆だ、と私はためらわずに言った。
人は、自分が他人に与える影響をコントロールできない。
でも、他人のために何かをする能力と意思決定はコントロールできる。
フォーブスのリストに誰が選ばれるかは、将来、君の知らない誰かが決めることだ。
君はそれをコントロールできない。
君がコントロールできるのは、今ここで
”人のために尽くし、その人たちの人生をより良くする方法を探し出す”と決断することだ
非常に示唆に富んだ指摘ではないでしょうか。
営業も、最終的に顧客に影響力を発揮できるかどうかはコントロールできません。
しかし、顧客に向けて価値を提供すると決め、その為にスキルを磨くと決めることは、
完全に営業自身でコントロールできることなのです。
まずは、
”顧客の人生(ビジネス)をより良くする方法を探し出す”
と決断することが、大事な一歩目のようです。
影響力に関連して、
ヒトに影響を与えるには”被影響力(影響を受ける力)”という視点も持つと良さそうです。
下記からご確認下さい(タイトルか画像をクリック)
追記)
因みに、日本語の”影響”の語源は、
影が形に従い、響きが音に応じるの意から、
原因と結果の関係をたとえているそうです。
・・・なんかカッコいいぞ。