得を説くには納めてから
皆さん、宝くじは買われますか?
殆ど買ったことがないのでよくわかっていなかったのですが、
ロト(LOTO)やナンバーズ(NUMBERS)といった、自分で数字を決められるモノもあるらしいですね。
宝くじから、ある実験を思い出しました。
ハーバード大学の社会心理学者、エレン・J・ランガー氏が行った実験です。
実験の参加者を2つのグループに分けます。
一方には、ランダムな抽選番号の宝くじが割り当てられます。
もう一方には、白紙のカードとペンが与えられ、
自分の抽選番号として好きな数字を書き込むよう求めます。
そして当選番号を抽選する前に、参加者に申し出ます。
「あなたの宝くじの買い戻したい(=売ってほしい)。いくらで譲ってもらえますか?」
さて、ランダムな番号を与えられたグループと、
自分で番号を書いたグループはそれぞれどのように回答するでしょうか。
合理的に考えると、当選する金額と確率が同じであれば金額に差は生じないはずです。
もうちょっと考えると、自分で好きな抽選番号を描いている場合、
他の人と重複する可能性があるので、当選金額が山分けであれば、
金額としては低く見積もらなければなりません。
実験の結果は、
自分で抽選番号を記載したグループの方が、
ランダムな番号を与えられたグループよりも、5倍高い金額を設定したそうです。
・・・5倍です。
当選する金額も確率も一緒なのに。
つまり、僕達は自分自身で物事を選択(意思決定)した場合、
そうでない場合よりも、はるかに強いコミットメントを見せるということを教えてくれます。
これが、”納得”しているということです。
営業の仕事には、その商品・製品・サービスが、
顧客にとって価値がある(得)ということを説くことが求められます。
「得を説く」で、”説得”です。
ここで大事なのは、顧客に向けて”説得”しようとしている内容に、
営業パーソン自身が”納得”しているかどうか?です。
・よくわからないけど、お客様が欲しいって言ってるしな
・正直別の選択肢の方が良いはずだけど、高いと言われても嫌だしな
・色々と調べるのも面倒くさいし、もうこれでいいや
というような、営業パーソン自身が十分に”納得”できていない状態では、
顧客に提供しようといている価値にコミットメントできていないことになります。
それでは、適切に説得できるはずもありません。
まずは、営業パーソン自身が、
提案(顧客に提示する選択肢)に十二分に納得することです。
それが自信に繋がり、説得のパフォーマンスも上がるのです。
営業が納得→顧客を説得→顧客が納得、の流れです。
まずは、営業パーソン自身が提案に納得すること。
そこを今一度確認してみてください。
では、顧客に”納得”してもらうにはどうすればいいか?
イケア効果というアプローチが結構使えると思いますので、
下記も是非ご参考下さい(タイトルか画像をクリック)
追記)
因みに、宝くじが当たる確率は・・・、という野暮な説得はやめておきますw
強制されているわけでもなく、納得して購入しているはずなので!