疑うことが学びの循環をつくる
エイプリルフールの起源は諸説あるそうです。
中でも有力らしいのが、16世紀のフランス説です。
当日のフランス(ヨーロッパ)は、
3月25日※を新年とし、4月1日までお祭りを開催していたそうです。
※3月25日がマリア様が受胎した日ということから
それを国王であるシャルル9世が、グレゴリオ暦を採用し、
新年を1月1日に変更したことに反発した人々が、
4月1日を「嘘の新年」として、馬鹿騒ぎを始めたことに由来する、というものです。
まぁ、だからと言って4月1日に特別な感情は湧きようがないですが、
子供の頃はなんとなくソワソワしたり、
嘘を見抜く為に変な緊張感を感じていたような気もします・・・。
エイプリルフールは世界中で嘘がつかれる日であると同時に、
嘘ではないか?と疑われる日でもあるのでしょう。
この”疑う力”が、仕事においても重要です。
特に営業という職種においては。
顧客との商談のシーンをイメージして下さい。
営業は顧客にヒアリング等でニーズを確認し、要件や要望をすり合わせていきます。
その際に、相手(顧客)が嘘をついているというわけではないのですが、
「本当にそうだろうか?」と疑ってほしいのです。
なぜなら、顧客が認識し、商談で取り上げられる議題(ニーズ)は、
氷山の一角である可能性が高いからです。
・Aという商品を求められているが、本当にそれでよいか?
・○○というニーズと伺ったが、本当にそれだけでよいか?
可能性を”建設的に”疑っていきたいのです。
ここに、営業としての付加価値があります。
何故なら、顧客自身もそこに気づいていない可能性があるからです。
また、多くの場合、顧客は組織で意思決定をしています。
・この発言は、個人としての意見か?組織としての判断か?
・この立場や職責が、そのように発言させているのではないか?
発言や判断の背景を”建設的に”疑っていきたいのです。
ここに、営業としてのスキルや経験の差が出ます。
何故なら、本音と建前と立場がモノを言う構造の理解が必要だからです。
図解すると、下記のようになります。
是非”建設的に疑う”というプロセス(アクション)を仕事に組込んで下さい。
顧客価値を提供する上で、不可欠な要素であると言えます。
では、どうすれば「疑う力」が身に付くのでしょうか?
『カモのネギには毒がある』(甲斐谷忍 著)と漫画に、
面白い指摘(切り口)がありましたので紹介します。
因みにこの漫画、そもそも面白いのですが、
行動経済学の理論や解説が頻繁に出てくるので勉強にもなります。
以下、『カモのネギには毒がある』(甲斐谷忍 著)第50講義「勉強」と「学び」より
主人公の加茂教授(世界的経済学者という設定)が、
これまで野球しかしてこなかった、野球部の大学生に「学び」を説きます。
①知る事 ②理解する事 ③疑う事 ④乗り越える事
が、学びである、と。
①知る事 と ②理解する事 は、勉強なので、
それだけをやっていても真の学びにはならない、と注意喚起をします。
だから、③疑う事 と ④乗り越える事 が重要なのだ、と。
しかし、そもそも③疑う事 をしようと思えば、
①知る事 と ②理解する事 が、先に必要なのです。
一定の知識、経験、知見がないと疑えない(疑問を持てない)からです。
だから、所謂「勉強」も必要なのだ、と。
反面、目的は④乗り越える事(=問題解決) なので、
そこに繋がらないような勉強も得てして「学び」とは言えないと指摘します。
そして、結果に繋がれば(成功体験)、
①知る事 と ②理解する事 に対するモチベーションが高まり、
学ぶのプロセスが正しく循環する、ということです。
まずは、今ある知識からでも”疑う事”に取り組んでみましょう。
・本当にそうだろうか?
・もっとこうした方がいいのでは?
仕事のシーンでそのような出来事(疑問)をつくれれば、
それが皆さんの学び(成長)のプロセスを循環させるはずです。
まずは、「建設的に疑ってみる」ということからです。
追記)
営業において、この「疑う」というプロセスには、前後が必要です。
ぞれが「定義」と「俯瞰」です。
関連する内容ですので、是非下記もご確認下さい!(タイトルか画像をクリック)