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教わらないという覚悟がありますか?

人間以外でほぼ唯一、積極的な教育をすると言われている動物がいます。

 

 

 

ミーアキャットです。

 

 

 

 

 

サハラ以南のアフリカに生息するミーアキャットは、群れで生活しているのですが、

 

その群れの中で、親などの年長者が子どもたちにサソリの食べ方を教えるそうです。

 

 

 

カワイイ顔して、結構、ハードなモノを食べるんですね。。。

 

 

 

サソリには毒があるので、何も考えずにバクっといくと毒針でやられます。

 

 

それを防ぐために食べ方を教えるのですが、面白いのは、段階を踏んで教えるところです。

 

 

 

まず最初は、既に死んだ(殺した)サソリを与えて、それを食べさせます。

 

 

そもそもサソリがどんなものか?という形状などを学ぶそうです。

 

 

 

次に、生きているけど毒針を抜いたサソリを与えて、狩り方を習得させます。

 

 

このサソリは事前に親が毒針を処理し、危険が無いようにしています。

 

 

 

そして最後に、自分で狩りをして、毒針を取り除く工程を見守るそうです。

 

 

 

なかなかの至れり尽くせりです。

 

 

 

近頃のミーアキャットでも文句は言わないでしょう。

 

 

 

これらの段階を追って教育するというプロセスは、

 

ミーアキャットがするから面白いのであって、僕達からすれば至極当たり前のことです。

 

 

 

ですが、逆に「教えない」という人間(民族)がいる、というわれたらどうでしょうか?

 

 

 

それが、書籍『ひっくり返す人類学』(著 奥野克巳)にて取上げられている、

 

ヘヤー・インディアンというカナダ北西部に在住している狩猟採集民です。

 

 

 

ヘヤー・インディアンの文化(ヘヤー語)には、

 

「教えてあげる」「教えてもらう」「誰々から習う」「誰々から教わる」という、

 

表現自体がないそうです。

 

 

 

なので、ヘヤー社会では、やり方は自分で覚えるものだと思われていて、

 

「誰かに教わる」ということは考えられないのだそうです。

 

 

 

教わる、教えるが当たり前の僕達からすると、それだと不具合がありそうなものですが・・・

 

 

 

興味深いのが、同書に記載されいている、子供達と折り鶴のエピソードです。

 

 

 

 

 

 

以下、同書『ひっくり返す人類学』(著 奥野克巳)より引用抜粋・加筆修正

 


 

ヘヤー・インディアンの子供達に折り鶴を折ってみせると、

 

子供達は「もうひとつ折ってくれ」と何度も言います。

 

そこでその通りに折ってみせると、今度はその紙が欲しいと言われます。

 

折り紙を渡すと、自分達で一生懸命折り始めたのです。

 

ヘヤーの子供達は「教えてよ」とは言いません。

 

自分で試行錯誤しながら折り鶴を完成させます。

 

そしてこれでできたと思ったら、見せにくるのです。

 

子供達は「今度は違ったモノを教えてよ」とは言わず「他に何か作れるか?」と聞いてきます。

 

ヘヤーの子供達は、何が行われているのかをじっくりと観察して、

 

やってみて、修正しながら独力でものを作り上げるのです。

 

 

私たちは何かを覚えたり学んだりするためには、

 

まず誰かに教えてもらわなければならないと考えるでしょう。

 

しかし、ヘヤー・インディアンの社会では、学ぶとは誰かに教えられることではないのです。

 

ヘヤーの人たちのやり方から言えるのは、

 

先生がいて生徒がいなければ学びが成り立たないわけではないということです。

 

誰かがやっていることをよく観察しながら、

 

自分の目の前にあるものとの相互作用を通じて、やってみてうまくいかなければ修正し、

 

少しずつ完成に向けて進んでいくこともまた、覚えることであり、「学び」なのです。

 

このように、人間には、とても多様な学びの形があるのです。

 


 

 

 

・・・なるほど。

 

 

「教える・教えられる」ということの大切さは間違いありませんが、

 

それに固執してしまっていてはダメですね。

 

 

 

因みにヘヤー・インディアンの人たちは、記憶力に秀でているそうです。

 

 

 

それも、積極的な学ぶ姿勢に起因しているそうな。

 

 

 

教えてもらえる、という前提ではなく、

 

学んでやろう、という前向き、前のめりな姿勢を大切にしたいモノです。

 

 

 

教える際には、ミーアキャットに倣って丁寧な指導を。

 

 

 

教わる側は、逆に”教わらない”という覚悟を持つことが、成長に繋がるかも?です。

 

 

 

追記)

 

教える、はビジネスシーンにおける最重要スキルのひとつだと思います。

 

 

ということは、裏返すと「教わる」というスキルも重要なわけで。

 

 

その辺りは、是非下記もご参考下さい(タイトルか画像をクリック)

 

 

▼教えられる側のスキルと教えるという機会

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