成長の秘訣は節にあり
「熊猫」と書く「パンダ」ですが、
食肉目クマ科に分類されるのでどちらかと言わずクマ寄りです。
それにしては、肉食ではなく、竹(笹)を食べている温厚なイメージが強いですが。。。
その昔、パンダは生前競争に敗れ(争いを避け)、
中国山岳地帯の奥地を生息の場としました。
そこで安定的に得られた食べ物が、竹だったのです。
竹は生命力が強く冬でも枯れず、1年を通して豊富に得られることから、
パンダは熊と違って冬眠もしないそうです。
あれほど、愛らしく、美味しそうに食べているように見える竹は、
別に好き好んで食べているわけではないのです。
実際、種として欲している食べ物ではないので、
食べた分の20%しか消化できません。
燃費も悪いのですw
それでもあの大きな体を動かすエネルギーを賄う為、
日中の多くの時間を食事に費やす必要があり、
結果的に「あいつ、めっちゃ竹好きやん」という誤解を生んでいるのです。。。
パンダの弱さと竹の強さが、的確にマッチングしたがゆえの組合せのようです。
不利な競争を避けたパンダの戦略も参考にしたいところですが、
竹の”強さ”について、少し考えてみます。
竹は、地球上で最も早く成長する植物だそうです。
1日に1メートル以上も伸びることもあるそうな。。。
半端ないですw
その成長を可能にしているのが、竹の”節”という構造です。
竹には、節ごとに細胞が分裂して成長する「成長点」と呼ばれる部分があります。
一般の樹木だと、成長点は根や茎の先端にしかありません。
ところが竹は、全ての節に成長点があります。
仮に節が20個の竹が、1日で5センチの成長余地があったとします。
そうすると、節ごと(20個)に5センチ成長することになるので、
5センチ✖️20箇所で、竹全体では1メートル成長することになります。
この”節”の存在がキーポイントなのです。
ビジネス(仕事)に置き換えて考えてみます。
皆さん、仕事の節目をしっかり作れているでしょうか?
・中途半端にやりっぱなしのプロジェクト
・スタートしたものの有耶無耶になっている施策
・決着のついていない顧客対応や提案、案件
僕自身、心当たりと反省が破竹の勢いですが、皆さんはどうでしょうか?
どうも成長が芳しくないな、と思ったら、原因はここかもしれません。
日々の仕事、業務、対応をしっかりとやり切って、節をつくること。
それが成長のカギなのかもしれません。
また、竹のもうひとつの強さは”折れにくさ”です。
これも”節”があることで、しなやかさを産み、
強風にも負けずに、倒れても起き上がることができるそうです。
節、恐るべし。
成長としなやかさを獲得すべく、
ひとつひとつの仕事をやりきり、仕事に節をつくりましょう。
仕事の単位とは別に、わかりやすい節の単位が”1日(今日)”です。
将棋の名人として名を馳せた大山康晴氏をご存知でしょうか?
通算勝数が歴代2位のレジェンド棋士でなのですが、
著書『勝負のこころ』にて、下記のような指摘をしています。
以下、書籍『勝負のこころ』(著:大山康晴)より引用抜粋、一部加筆修正
私は日常生活で、今日の仕事は今日中に片付けることをモットーとしている。
勝負を職業とする私は、何事であれ、その時その時に決着をつけておかないと、
対局に臨んで気持ちの統一ができない。
日頃投げやりなことをしていて、
いざ対局の日に無念無想になろうとしても、それは無理というものである。
1日1日をしっかりとやり切ることの積重ねが、
真の強さを作るということでしょうか。
見習わなければなりません。
皆さんも改めて、
1日1日でしっかり節を作ることを意識してみませんか?
そして成長を実感する為には、それを振り返ることも重要です。
詳しくは、下記も併せてご確認下さい(タイトルか画像をクリック)
追記)
竹といえば、竹取物語(かぐや姫)です。
確かことの始まりは、
竹藪でお爺さんが光る竹を見つけたことからだったと思います。
ただ、1日で1メートルも伸びる竹であれば、
その日を逃してしまうと、光る竹はお爺さんの目線の遥か上に位置し、
見つけられなかったでしょう。。。
節目となるタイミングも同様に大事ですね。。。