関心・期待の重要性-ホーソン実験とピグマリオン効果-
日報(商談)に大した内容が記載されない・・・
残念ながら、SFA/CRM導入後にご相談頂くことが多い内容です。
この場合、マネジメント職はついつい個人の内面に原因を求めたくなってしまうのですが、
ちょっと我慢してみて下さい。その理由についてはこちらから。
共有される情報に、一定以上のレベルを求めるには、
導入目的の明確化、戦略への利用の理解、業務負荷の軽減をクリアしつつ、
内容を纏めるようなテクニックも習得すべきです。
が、もっと根本的な部分があります。
それは、共有される情報を見る側が「関心を持つこと」です。
もう少し言えば、情報をインプットする側(メンバー)に、
「関心を持っていると認識させること」です。
ホーソン実験をご存知ですか?
▼ホーソン実験(Hawthorne experiments)とは
以下、ウィキペディアより引用・加筆修正
シカゴ郊外にあるウェスタン・エレクトリック社のホーソン工場において、
1924年から1932年まで行われた一連の実験と調査である。
物理的な作業条件と従業員の作業能率の関係を分析する目的で、照明実験他が行われた。
工場の照明と作業能率の相関関係を調べることが目的の実験だったが、
照明を明るくした場合に従来より高い作業能率となっただけでなく、
照明を暗くしても従来よりも作業能率が高くなることが明らかになった。
作業環境の良し悪しが作業の効率にどのように影響するかを実験しようとしたところ、
実験の対象となった作業者が、作業環境よりも実験の対象になっているということに
反応して、作業環境に関係なく作業の効率が上がった、ということ。
この研究の結果、
「労働者の作業能率は、客観的な職場環境よりも
職場における個人の人間関係や目標意識に左右されるのではないか」
という仮説が導き出された。
というモノです。
作業条件(環境)と能率の分析をしたかったのに、
実験の対象者が「見られている」と意識して、頑張ってしまった、という話です。
つまり、重要なことはその仕事・作業に「関心を持つこと・持たれること」だと言えます。
併せて、ピグマリオン効果(教師期待効果)というモノがあります。
▼ピグマリオン効果(教師期待効果)
以下、用語の説明等は書籍『認知バイアス辞典』より引用、加筆修正
1964年にあるアメリカの小学校で行われた実験です。
実験では、学期の最初に児童を対象に学習能力予測テストと
銘打ったテスト(実際は、普通の知能テスト)を実施します。
クラスの担任には、そのテスト成績の分析結果として、
「今後成績が伸びる子供たち」のリストを示しました。
これらの子供たちは、実はテストの成績とは関係なく、ランダムに選び出されていました。
それにも関わらず、
実際に他の子供たちと比べてその後の成績が伸びていった、という現象がおきました。
これは、全ての子供を本来は平等に扱うべき教師が「今後成績が伸びる」と
期待をかけた子供たちに対して、無意識的な助力や特別な温かい働きかけを行い、
その結果、期待が根拠のない情報に基づいたモノであっても、実際に学力が伸びた、
という説明がされています。
イメージは下図のような感じです。
このことからも、質の高いアウトプットを望むのであれば、
根拠はさておき、
まずはそれを「期待すること」がスタートだ、ということです。
チームメンバーの仕事・アウトプット、本件であれば日報(商談)の内容について
関心を持ち、期待していますでしょうか?
重要なことは、チームのメンバーが
「関心を持たれている」&「期待されている」
と認識できている状況・環境を創ることです。
まずは、そこからやってみましょう。
因みに、マネジメント職の目線でご説明しましたが、営業パーソンも一緒です。
自分の仕事について、周りが「関心を持ってくれている」「期待している」と
根拠はさておき、自ら意識することです。
これが仕事の質を上げるコツだと思います。
追記)
小学校低学年の息子の授業参観に行ってきました。
手を挙げる子が多く、活気のある授業だなぁと思いましたが、
恐らく普段の1.5倍位、皆頑張っているんだろうと推測します。
ただ、学年が上がれば反比例しますかね?
親が見にきていることが、恥ずかしかったり、うざかったりで
普段のパフォーマンスより落ちるようになるのでしょうか。
関心と期待の掛け方も相手の状況次第ですね・・・
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