“鶏と卵”問題の答えと視野の広さ
「鶏が先か、卵が先か」という言葉(言い回し)があります。
鶏がいないと卵は生まれないし、卵がないと鶏が生まれない、という因果律のジレンマです。
ビジネスシーンに関わらず、モノの例えとして使用されることも多く、
僕も何度となく日々の会話で使ってきた気がします。
しかしながら、なんとこの“鶏と卵”問題、既に答えが出ています。
高橋祥子著『生命科学的思考』より、以下抜粋します。
※因みにこの書籍、めちゃめちゃ面白いです。
鶏と卵の場合、この二者のみに視野を限定して考えるためにおかしなことになります。
視野を大きくして生物学の知識を取り入れて考えれば、この問題はすぐに解決します。
鶏はニワトリという生物種だけですが、卵はニワトリ以外の鳥類も生みます。
つまり、ニワトリに近い種の鳥類が時間をかけて徐々に変化(進化)することで、
ニワトリになったということです。
つまり、「卵が先にあり、卵から産まれる鳥類が長い時間をかけてニワトリに進化した」
のが「鶏が先か、卵が先か」の解答になります。
ニワトリに近い種というのが、赤色野鶏(セキショクヤケイ)のことで、
こいつがニワトリの直接的な先祖といわれています。
赤色野鶏が生んだ卵からの突然変異(進化)がニワトリだ、ということです。
ということで、答えは「卵が先」でした。
もう「鶏が先か、卵が先か」は、例えで使えません。
別の例えを探さなければなりません。
量か質か、採用か育成か、戦略か組織か、ビジネス上の意思決定で二者択一を迫られる時、
どちらとも言えない(=どちらとも言える)ケースは多々あります。
僕達は、答えが出なさそうな問いには、思考停止に陥りがちです。
ムダな思考をしない(=思考停止)というプログラムは、
生命1個体として考えれば、実際は効率的です。
エネルギー効率を考えて、日々脳は錯覚し、バイアスに囚われるのです。
それでも、そこで議論・思考を止めずに足掻きましょう。
視野を広げる為の知識や知見、時に助言を求めましょう。
効率的に生きよう(=思考停止)という本能に抗い、
狭い視野で思考停止に陥るのではなく視野を広く持ち、
しっかりと考えられるように準備をしていきたいものです。
そんなことを、鶏と卵を見るたびに是非思い出してください。
日本人の食生活では、肉類の消費量No1は鶏肉です。
卵の消費量はなんとメキシコに次いで世界2位です。
幸い、思い出す機会はかなり多そうです。。。
追記)
この“鶏と卵”問題、誰かに言いたくありませんか?
アウトプットすることが、実は一番効果的なインプットであるという
【トリビアの泉理論】を併せてご確認下さい。(画像をクリック)