頑張るというコトバについて考えてみる
社会人になり、使用頻度が格段に上がったなぁと感じるコトバがあります。
それが、「頑張ります」です。
皆さんはどうでしょうか?
背景としては、この「頑張ります」が実に便利なコトバだからです。
少し言い方を変えると、都合のよいコトバであると言えます。
マネジメントの立場で、
メンバー(部下)から「頑張ります」という報告を受けた、としましょう。
留意点が3つあります。
まずはじめに、「頑張ります」は、不確定な未来に対する宣言です。
つまり、現時点では、何も変化は起こっていない、ということは気を付けなければなりません。
なんだかやっている気になってしまっていませんか?
次に、「頑張る」とは、極めて主観的であるということです。
本当に頑張ったかどうか?は本人にしかわかりません。
また、その「頑張る」という基準が、あなたから見て妥当かどうかもわかりません。
何を、どれくらい、どのように、という具体化がなされない限り、検証もできません。
最後に、大抵の仕事は、そもそも頑張るモノです。
頑張ることは、ある程度前提条件みたいなモノではないでしょうか。
逆に、「頑張りません」と報告されれば、
「・・・おいおい。ちょっと話を聞こうか・・・」となりますw
最後は流石にちょっと穿った見方かもしれませんが、
「頑張ります」という報告は、その使用頻度と耳障りの割には、大して効果的ではないと思われます。
そこで、改善アイデアです。
「頑張ります」という報告を、現在進行形の表現に変えましょう。
「頑張ります」ではなく、「頑張っています!」と。
現在進行形の表現をする為には、当然ながらやり始めていなければなりません。
既に進行中であれば、それがどれくらい、どのようにも明確になるはずです。
”言う”と”やる”には、0から1の大きな差があるのです。
「頑張ります」という報告は止めて、
「頑張っています」という報告を増やしましょう。
視点を変えて、「頑張れ」という激励はどうでしょうか。
このコトバの価値は、完全に”誰から言われているか”に依存します。
皆さん、大切な人、尊敬できる人、好きな人からの「頑張れ」をイメージして下さい。
モチベーションに直結できるはずです。
『宇宙兄弟』(小山宙哉 著)という漫画に出てくる好きなシーンがありますので、少し紹介します。
以下『宇宙兄弟』(小山宙哉 著)#157 スーパンダマン より
過酷な訓練に向かう、宇宙飛行士のケンジに愛娘が言います。
「がんばってね。ムリしてね!」
訓練中、心が折れそうになったケンジは娘のコトバを思い出し、気合を入れます。
「ムリしてね・・・ムリしないでって言われるよりも、何倍もやる気になる言葉だ」
やはり大切なのは、そのコトバを誰が誰にいうか?なのです。
「ムリしろ」なんて、仕事現場ではパワハラ認定確実なコトバですが、
愛娘のコトバであれば、モチベーションになるのです。
「頑張れ」というコトバに、良い悪いはありません。
ただ、それ(=頑張れ)を
「お前には言われたなくない」
「言われんでも、もう頑張ってるわ!」
と受け取られるのか、
「よし、やるぞ!」
「期待に応えるぞ!」
とモチベートされるかは、発信者次第、関係性の問題です。
「頑張れ」というコトバが、
しっかりとプラスを生むような人間力、関係性を創っていかなければなりません。
以上、今回は”頑張る”というコトバについて、考えてみました。
使用の際は、
「頑張ります」ではなく、「頑張っています」と現在進行形で表現できるようにしていきましょう。
誰かに「頑張れ」と伝える際は、
そのメッセ―ジがプラスの効果が発揮できるような、人間力・関係性に気を付けましょう。
追記)
・・・どうやって、それを実現するか?ですか・・・
とりあえず、頑張りましょうかww
下記もご参考ください(画像かタイトルをクリック)
現在進行形で報告する為には、”中途半端に始めること”です。
”同じコトバでも誰が言うか”という問題は、マネジメントに関わらず共有の課題ですね。
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